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ミミズで家業に「革命」を 悩む両親見て17歳が見つけた“糸口”


 農や食、環境への思いや体験をつづる第51回毎日農業記録賞(毎日新聞社主催、農林水産省・県・県教委など後援、JA全中など協賛)の審査結果が発表され、愛知・岐阜からは、高校生部門で、愛知県立安城農林高2年、永谷(ながや)友和さん(17)の「シマミミズによる我が家のシン・農業革命」が同部門最高位の中央審査委員長賞に輝いた。 花や野菜の苗などを生産する専業農家に生まれた。家で作った苗は「丈夫で枯れにくい」と高い評価を得ているが、最近の資材高騰に頭を悩ませる両親の姿も見てきた。

 受賞作では、地域で出る生ごみをシマミミズに食べさせ、そのふんを用土として活用することで、家業の経営改善につながる可能性を指摘。ミミズによる生ごみの堆肥(たいひ)化が、地域のつながりを生み出していく点についても言及した。高校生の最高賞を射止め、「うれしかった」とはにかむ。

 幼い頃から家業を手伝ってきた。両親が作る苗は地元の学校などにも納められ、多くの人たちを楽しませていることが誇りだった。「家業を継ぎたい」という思いから、安城農林高校へ進学した。

 そこで出合ったのがシマミミズだった。ふん土を使って育てられた二十日大根を口にして驚いた。ふん土の割合が高い大根ほど味わいが深く、酸味や甘みもはっきりしていた。迷わず土壌研究研修班に参加し、ミミズのふん土を堆肥として利用する方法について、仲間と共に研究を始めた。

 さまざまな実験を通して、植物栽培におけるふん土の有用性を確信した。同時に、地元の飲食店と協力し、コーヒーかすをミミズの飼育に活用した経験から、地域で出る生ごみの循環にも着目。「地域の協力があれば、分別された生ごみを回収することで安定的に用土を賄えるかもしれない」。家業の経営改善につながる糸口をつかんだ。

 将来の目標は付加価値の高い農業経営だ。ふん土を活用して苗そのものの価値を高めつつ、堆肥作りを通して環境への負荷を減らし、地域のつながりも高めていきたいという。「課題も多いけれど、これから更に勉強して解決策を見つけたい」と意欲を語った。【町田結子】

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