川内原発の運転延長巡る住民投票条例案を否決 鹿児島県議会常任委

　運転開始から間もなく40年を迎える、九州電力川内原発（鹿児島県薩摩川内市）の運転期間の20年延長の賛否を問う県民投票条例案について、県議会臨時会の常任委員会は25日、賛成少数で否決した。26日の本会議で採決される。

　条例案は総合政策建設と総務警察の両委員会で合同審議された。採決は総合政策建設委員会で行われ、1人が退席し、賛成2人、反対7人だった。

　採決前には自民県議から「県民投票は県民の多種多様な意見を反映できるか疑問。議会と行政が責任を持って判断すべきだ」との反対意見、野党系県議からは「県民投票をきっかけに県民の間で議論がなされ有意義だ」との賛成意見がそれぞれ出た。24日の審議では、県民投票が行われた場合、有権者は約130万人で、経費は約7億円に上るとの県の試算も示された。

　委員会終了後、塩田康一知事は報道陣の取材に「本会議での論議を見守りたい」と述べた。

　県民投票を巡っては、市民団体が6～7月、法定数（有権者の50分の1）の約2万6000人を大きく上回る約4万6000人分の署名を集め、塩田知事に直接請求していた。【宝満志郎】