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ガザ北部住民、大多数が避難先なく 「自宅で死にたい」と残る人も


 パレスチナ自治区ガザ地区への地上侵攻を準備するイスラエル軍が、同地区北部の住民およそ110万人に退避勧告を出したことを受け、一部住民が13日、避難を始めた。ただ大多数は避難先のあてがなく、自宅に残っている。「どうせ死ぬなら、自宅で死にたい」と話す住民もいる。

 イスラエル軍は12日深夜(日本時間13日早朝)、北部での戦闘を本格化させるため、住民に南部へ避難するよう勧告した。国連には「期限は24時間以内」と通告した。既に期限は過ぎ、イスラエル軍がいつ大規模な地上侵攻を始めるかが焦点となっている。

 中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」は、一部の住民が車やロバ、もしくは徒歩で南部に向かっている様子を報道した。だが避難しているのは「数千人程度」とされ、大多数の住民は自宅に残っているとみられる。

 国連によると、ガザの国連施設には既に約34万人が避難しており、これ以上の受け入れは不可能だ。地元記者によると、南部に親族らがおらず、避難先がない住民はしばらく路上で暮らすことも覚悟しているという。一方、家族に高齢者や病人がいる場合は移動が難しい。「イスラエル軍が攻撃を続けるガザでは、安全な場所なんてない。どうせ死ぬなら自宅で死にたい」と話し、避難を拒否する人も多いという。

 イスラエル軍の激しい空爆で負傷者が急増する中、救急医療などを担うパレスチナ赤新月社は13日、「患者を見殺しにはできない」として、避難を拒否すると表明した。

 一方、ハマス側は1948年のイスラエル建国時に約70万人のパレスチナ人が故郷を追われ、難民となった「ナクバ(大惨事)」に言及し、「我々はナクバを繰り返してはならない」と主張、住民に自宅にとどまるように呼び掛けた。イスラエル軍は、避難は住民の安全を確保するためだと説明し、ハマスを「市民を『人間の盾』にしようとしている」と批判する。避難に応じない住民は「ハマス側」に立ったとみなすと警告した。

 イスラエルはガザへの物流を止める「完全封鎖」を継続しており、ガザでは11日以降、電気の供給がほとんど停止。水をくみ上げるポンプが止まったため、水道水も出なくなった。一部のスーパーにはまだ水が売られているものの、「数日で水すらなくなる可能性がある」(地元記者)という。薬などの医療物資や病院の設備を支える発電機の燃料も少なくなっており、ガザの状況は悪化するばかりだ。イスラエルのネタニヤフ首相は13日夜、国連などが求めている「人道回廊」の設置には言及せず、「(ハマスとの戦闘は)始まったばかりだ。勝つまでは時間がかかるだろう」と述べ、戦闘の長期化を示唆した。

 ハマスとイスラエルの戦闘を巡る死者は13日、3200人を超えた。イスラエル側の死者は1300人、パレスチナ側の死者は1900人となった。ハマスは13日、ガザ北部からの避難者70人が、イスラエルの空爆で死亡したと発表した。【エルサレム三木幸治】

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