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米軍制服組トップのミリー氏が退任演説 「トランプ氏批判」も


 米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長の退任記念式典が29日、首都ワシントン近郊であった。ミリー氏は2019年10月に統参議長に就任し、トランプ前大統領(共和党)とバイデン大統領(民主党)の両政権に仕えた。ミリー氏は演説で「我々は独裁者になりたい者のために忠誠を誓うわけではない。合衆国憲法に忠誠を誓っている」と強調した。米メディアは、在任中に軍を政治利用しようとしたトランプ氏を批判した発言として報じている。

 ミリー氏は30日に退任する。統参議長は大統領や国防長官、国家安全保障会議(NSC)に助言をする最高軍事顧問。インド太平洋地域で急速に軍事力を拡大する中国や米史上最長の戦争となったアフガニスタン戦争の終結、ロシアによるウクライナ侵攻への対応などに奔走した。

 一方で、20年5月に中西部ミネソタ州であった警察官による黒人男性暴行死事件を巡り、全米に抗議デモが拡大した際の対応では苦い記憶もある。当時のトランプ政権は6月にホワイトハウス近くの公園であった平和的なデモを警察官などを使って強制排除した。直後にトランプ氏が公園近くの教会に出向いて写真撮影した際に、ミリー氏は迷彩服姿で同行。「軍の政治的中立性が保たれていない」と批判を浴び、その後に謝罪した。

 21年1月に起きたトランプ氏の支持者らによる連邦議会襲撃事件では、精神的に不安定なトランプ氏が「暴走」する可能性を懸念。何らかの軍事作戦に踏み切ることを恐れて、米軍幹部らを集め、トランプ氏のどんな指示も自身を通すように命じたとされる。

 ミリー氏はこの日の演説で、憲法の重要性を繰り返し強調。「我々は憲法を守るために命を懸けている。簡単には脅されない」と述べた。米CNNテレビは演説を「トランプ氏への明らかな攻撃」などと報じた。

 ミリー氏の後任はチャールズ・ブラウン空軍参謀総長。黒人の統参議長は共和党のブッシュ(父)、民主党のクリントン両政権で務めた故パウエル元国務長官以来で2人目。オースティン国防長官も黒人で、国防長官と米軍制服組トップの両ポストを初めて黒人が務めることになる。【ワシントン鈴木一生】

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