海外のオンラインカジノを利用した客の資金決済を代行し賭博を手助けしたとして、警視庁保安課などは27日、いずれも会社役員で、沖縄県宮古島市の前田由顕（42）と、千葉県松戸市の時田慎也（42）の両容疑者を常習賭博ほう助容疑で逮捕したと発表した。賭け金の出入金システム「スモウペイ」を国内で運営し、提携する海外のカジノ運営者に賭け金を送金していたとみられる。保安課は認否を明らかにしていない。
保安課によると、オンラインカジノの決済代行業者を同容疑で摘発するのは全国で初めて。オンラインカジノは利用者が急増しているが、運営者の多くは海外拠点のため、摘発は困難とされてきた。ただ、利用客の賭け金の決済代行などは国内業者が関与しているケースが多く、賭博を助長しているとして取り締まりが課題だった。客の送金履歴などの捜査から、決済代行業者を特定したという。
逮捕容疑は2021年7月～22年7月、オンラインカジノの利用客18人の賭け金を、スモウペイを使ってカジノ運営者に送金するなどして賭博を手助けしたとしている。
スモウペイの利用顧客は約4万2000人に上り、保安課は20年6月ごろから決済手数料などとして計約21億5000万円を得ていたとみている。
保安課は27日、スモウペイの業務を手伝っていたとされる男女5人についても常習賭博ほう助容疑で書類送検した。【加藤昌平】
