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陸自性暴力、被告「被害者がうそ」 公判後、五ノ井さん「ひどい」


 陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県郡山市)に所属していた元自衛官、五ノ井里奈さん(23)にわいせつな行為をしたとされる元自衛隊員の第5回公判が25日、福島地裁(三浦隆昭裁判長)で開かれた。強制わいせつ罪に問われた3人のうち、木目沢佑輔被告(29)は、わいせつ行為を否定し、五ノ井さん側が性被害についてうそをついていると主張した。

 強制わいせつ罪に問われているのは木目沢被告のほか、渋谷修太郎被告(30)、関根亮斗被告(29)の計3人(いずれも懲戒免職)。起訴状によると、3被告は2021年8月3日夜、北海道の演習場で、五ノ井さんを格闘技の技でベッドに倒し、わいせつな行為をしたとされる。

 この日の被告人質問で、木目沢被告は五ノ井さんに技をかけた理由について「自衛隊という組織には『上官の命令は絶対』という環境があり、断り切れなかった」と振り返り、上官の命令で五ノ井さんに格闘技の技をかけたと説明した。

 五ノ井さんがセクシュアルハラスメントの被害に遭ったと訴えていることについて、木目沢被告は五ノ井さんが訓練から逃れる口実としているとの趣旨の証言をした。検察官から「五ノ井さんはうそをついていると思うか」と問われると、「はい」と答えた。

 また、木目沢被告は22年10月に五ノ井さんに直接謝罪したが、自らの意思ではなかったとした。謝罪に先立ち、自衛隊側から「『いかにも反省しているという態度を見せるように』などと指導された」とし、担当者から「土下座してくれ」と土下座されたことを明かした。

 公判終了後、記者団の取材に応じた五ノ井さんは、自身の被害をうそと位置づけた木目沢被告の証言について「本当にひどい。私は全てを失い、ここで負けるわけにはいかない。正しい判決が出るまで自分を貫き通したい」と時折声を詰まらせながら語った。

 公判は10月30日に結審し、12月12日に判決が言い渡される予定。【岩間理紀】

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