東京都葛飾区で1996年9月、上智大4年だった小林順子さん（当時21歳）が自宅で殺害された事件で、警視庁亀有署は15日、遺族らとともに現場跡地で献花式を開いた。事件が9日で発生から27年となったのに合わせたもので、父賢二さん（77）は「何としてでも娘の無念を晴らしたい」と事件解決を願った。
献花式には署員や地元住民らが参加し、順子さんの遺影に菊の花を手向けた。賢二さんは未解決のまま歳月が流れていることに焦りを示し、「犯人が今も同じ空気を吸っていると思うといてもたってもいられない。どんなささいな情報でも寄せてほしい」と訴えた。
献花式後、京成電鉄柴又駅前で賢二さんや署員らが、事件概要が書かれたチラシなどを駅の利用客らに配布し、情報提供を呼び掛けた。三谷貞博署長は「必ず犯人を検挙するという強い気持ちで捜査を尽くしていく」と話した。
事件は96年9月9日夕に発生。順子さんは首を刃物で刺され、自宅は放火された。現場に残された血液から犯人はA型の男とみられる。未解決事件の遺族らでつくる「宙（そら）の会」は、犯人の似顔絵作成や年代推定などに犯人のDNAを活用できるよう法制化を求めている。
情報提供は亀有署捜査本部（03・3607・0110）へ。【岩崎歩】
