「今まで、たくさんの愛をありがとう」。乳幼児玩具メーカー「ピープル」（本社・東京）は4日、約27年にわたり子どもたちに愛されてきた人形「ぽぽちゃん」の生産を終了したと発表し、SNS上では感謝と共に惜しむ声が広がっている。【坂根真理】
1996年の発売開始からこれまでに約580万人の子どもたちに可愛がられてきたという、ぽぽちゃん。横にすると眠ったように目を閉じるなど本物の赤ちゃんのように愛らしく、「お世話をしたい」という子どもたちに人気を博してきた。
だが、少子化を背景に幼児の玩具市場が縮小していることから経営戦略の一環として、新しい「看板商品」を開発していくことを決めたという。
広報担当者は「子どもの欲求や好奇心を満たす新しい商品開発に全力で取り組むために、ぽぽちゃんの生産をやめることになりました。苦渋の決断でした」と明かした。
「友達に見立てたぽぽちゃんとけんかをして遊んだ」といったエピソードがこれまでに数多く寄せられたという。
担当者は「お子さんにとって、ぽぽちゃんは妹だったり、お友達だったりする。ぽぽちゃん遊びの様子を共有してもらえ、お子様の成長を一緒に見守る機会をいただけてありがたかったです」と話した。
4日、公式ホームページなどに「これまでたくさん遊んでくれたみなさんへ。」と題したメッセージを掲載したところ、SNSを通じて多くの人から反響があった。
＜今使っているぽぽちゃんをより一層大切にして過ごしたい＞
＜大学生になった今も、ぽぽちゃんを大事に持っている＞
＜私が遊んでいたぽぽちゃんを娘が使っている。孫の世代まであると思っていました＞
担当者は「多くの方にぽぽちゃんに愛情を注いでもらえて感謝の気持ちでいっぱい。いただいた反響を糧に、新しい商品開発に取り組んでいきたいです」と語った。
今後の販売は在庫がある分で終了する。修理などのアフターサービスは今後も継続する。また、過去に人気があった、ぽぽちゃんの洋服の型紙などの情報を提供することも考えているという。問い合わせは同社ホームページ。
