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かつて豊漁のアサリほぼとれず…新名産にカキを 千葉の干潟で取り組み


 千葉県船橋市の干潟・三番瀬で県、同市、同市漁協が2022年12月から、5カ年計画でカキの養殖試験に取り組んでいる。三番瀬では、かつて豊漁だったアサリはほとんど取れず、人気のホンビノス貝も漁獲量が減少している。新たな名産にと期待が寄せられている。

 養殖試験は、海中に縄を垂らしてカキの稚貝を付着させる一般的な養殖ではなく、潮の満ち引きが大きい三番瀬の特徴を生かした「支柱柵式カキカゴ養殖」を採用した。市によると、オーストラリアで開発された養殖方法で、干潟にクイを立ててワイヤロープを巡らせ、稚貝を入れたカゴをつるして育てる。

 カゴに入っているため食害に遭うこともなく、波に揺れてカキがぶつかり合うことで殻が厚く、身もボリュームが出るという。干潮時に日光を浴びることで殻に付着した藻類など不要な微生物を除去できるメリットもあるという。

 初年度はそれぞれ稚貝50個を入れたカキカゴ(縦横約20センチ、長さ約80センチ)12個を設置。投入時平均で重さ17グラム、縦5・5センチ程度だったカキは、今年7月には平均で63グラム、縦7センチ程度に成長していた。市などはカゴの網の目の大きさや波を当てる角度を変えて生育状況を確認している。秋には、ホンビノス貝やノリ養殖の漁業者10人も同様にカキカゴ計100個以上を設置する見通しで、最終年度の26年度には5万個に増やしたい考えだ。

 カキ養殖は漁獲量が低迷しているアサリ養殖の復活にもつながると期待されている。同市によると、三番瀬では17年度から、アサリが波に流されないように海底を砕石で覆う「砕石覆砂事業」を進めている。カキカゴが増えれば、カゴが波よけとなり、アサリを守ってくれるとも期待されている。

 三番瀬は江戸時代、「御菜浦(おさいのうら)」として徳川家に魚や貝を献上するほど豊かな漁場だった。カキ養殖を担当する同市農水産課の技師、梅田新也さんは「東京湾奥の三番瀬は、旧江戸川など流れ込む河川が多く、湾内も栄養が豊富で、初年度でも身が厚くておいしいカキができている。三番瀬で漁業者が持続的に漁を続けられるよう、カキの養殖を成功させたい」と話している。【石塚孝志】

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