広い範囲が台風6号の暴風域に入った沖縄県内では、2日までに各地で被害が相次いで報告された。
県警名護署によると1日午後10時15分ごろ、沖縄本島北部の大宜味村で崎山喜弘さん（90）が倒壊した車庫の下敷きになり死亡。県のまとめでは風で飛んできたものに当たるなどして約30人が重軽傷を負った。沖縄電力によると2日午後時点で、県内全戸数の34％に当たる21万5800戸が停電した。
交通への影響も続き、沖縄都市モノレール（ゆいレール）が終日運休した。那覇空港を発着する全便が欠航した影響で、6日に阪神甲子園球場で開幕する第105回全国高校野球選手権記念大会に出場する沖縄尚学の選手らが出発できなかった。同校の大城英健・硬式野球部長は「大会直前なのに練習できず、選手たちのコンディションが心配だ」と語った。3日も石垣など県内各空港で大半の便の欠航が決まっている。
台風6号は今後も沖縄周辺にとどまる見通しで、飲食業を中心に観光業にも影響が出始めている。県飲食業生活衛生同業組合の与儀哲治専務理事は「個人旅行が増える時期なので店の売り上げが大きく減る可能性がある。生鮮食品のロスも痛い。なるべく影響が出ないよう祈るしかない」と語った。【比嘉洋、長岡健太郎】
