有機フッ素化合物、血中濃度調査の規模拡大へ 環境省専門家会議

　有害性が指摘される有機フッ素化合物（PFAS）対策を検討している環境省の専門家会議は25日、血中濃度調査の規模拡大の必要性などを盛り込んだ対応方針案を大筋で了承した。

　同省は2020年度から、PFASのうち、発がん性が指摘されるPFOSとPFOAなどの血中濃度を公募に応じた人を対象に試行的に測定している。方針案では、一般的な国民が取り込んでいる量を把握するため、「調査規模の拡大や自治体との連携など、本調査の実施に向けた検討を進めることが必要」とした。これまで対象は年100人程度だったが、複数の同省関係者によると、2000～3000人規模の調査実施も視野に検討を進めるという。

　方針案には、環境汚染の原因となる製品の管理強化も盛り込んだ。国内に残っているPFOSなどを含む泡消火剤について在庫量を適正に把握する方法を検討し、漏えい防止につなげる。【岡田英、三股智子】