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1キロ数万円が数十円に… 「逆出世魚」、目指すエシカルフード


 成長に従って商品価値が下がることから「逆出世魚」の異名を持つニシン科の魚コノシロ。飼料などに使われてきたが、これをおいしく食べてもらおうと、コノシロの水揚げ日本一とされる船橋漁港(千葉県船橋市)の関係者らが「コノシロやわらか煮」を開発し、販売を始めた。環境や社会に配慮した食品「エシカルフード」としてアピールし、江戸前の持続可能な漁業を目指す。【石塚孝志】

 東京湾で捕れるコノシロは成長するに従ってシンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロと名前を変える。シンコやコハダは江戸前ずしのネタとして人気が高く、初夏のシンコの初物では1キロ当たり数万円の高値で取引される。しかし、成長につれて小骨が多く、加工にも手間が掛かると敬遠され、コノシロになると1キロ当たり数十円の安値となり、魚の飼料などに回されることが多い。

 商品開発は、そんなコノシロの活用を進めてフードロスの削減や漁業者の収入アップにつなげたいと企画された。「Tポイントカード」を運営する「CCCMKホールディングス」(東京都渋谷区)の支援を受け、船橋市漁協や、コノシロの頭や内臓、ウロコなどを除去する下処理技術を持つ漁業関係者、魚の骨を軟らかくする加工技術を持つメーカー、自然食品の商品開発力を持つ流通企業が集まって開発が進められた。

 新商品はショウガとしょうゆ、酒、みりん、てんさい糖だけで味つけし、ふっくら軟らかな煮魚に仕上げた。クセがなく上品なコノシロの味わいを引き立てるため、甘さ控えめで食べ飽きないのが特徴という。開発はTポイントカードのビッグデータを活用してターゲット層や味、パッケージなどが検討されたという。

 商品開発に加わった海光物産(同市)の大野和彦社長は「船橋の特産として、おいしくて体にもいいコノシロを、どんどん活用していきたい」と話す。

 「コノシロやわらか煮」は1匹474円(税込み)。オーガニック・自然食品「こだわりや」の店舗やオンラインで販売している。

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