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処理水放出に福島大研究者ら有志 「市民の声反映されていない」


 東京電力福島第1原発事故を巡る諸課題について広く県民を巻き込んだ議論につなげようと、福島大の研究者ら有志が11日、「復興と廃炉の両立とALPS処理水問題を考える福島円卓会議」を開設した。福島市の杉妻会館での対面の会議にオンラインも加え計約120人が参加し、さまざまな立場から意見を交わした。【肥沼直寛】

 呼びかけ人の一人で、元福島大学長の中井勝己さんは冒頭、「タンク容量が満杯だからといって、処理水の海洋放出により地元漁業者の地道な努力を無にすることはできない。復興の主体者である我々住民が、政府と東電と対等な立場で意見を交わす場としたい」と趣旨を説明した。

 会議では出席者の20人以上が発言し、復興や廃炉に対する意見を述べた。同県二本松市の農業、菅野正寿さん(64)は「処理水の海洋放出は、市民の声や、そこで暮らす住民の考えがまったく反映されていないことが問題。科学的な知見だけで放出を決めてはならない」と懸念を示した。

 このほか、参加者からは「最初から結論ありきで進んでいる」「原発事故で汚されてしまった海をもう一度汚さないでほしい」といった声が上がった。

 会議の事務局は、東電や国にも出席を求めたが、日程調整を理由にこの日の参加はかなわなかった。福島大准教授の林薫平事務局長は閉会後、「東電や国の考えも議論のテーブルに載せてもらうことが重要。一緒に解決策を考えていく場であることを真剣に伝えていきたい」と話した。

 円卓会議は8月までにさらに3回を予定している。

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