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そごう・西武の労組、ストライキ検討へ 大規模百貨店では異例


 セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下の百貨店大手「そごう・西武」の売却計画を巡り、雇用の維持や事業の継続について具体的な説明がないのは不当だとして、従業員の8割が加盟する「そごう・西武労働組合」(寺岡泰博委員長)がストライキ権を確立して会社側に説明を求める方針を決めた。労働組合は3日、スト権確立の是非を問う投票の実施を組合員に告示する。スト権の確立を経てストが実施された場合、各店舗の営業に大きく影響する可能性がある。全国10店舗を展開する百貨店を舞台とするストは異例。

 大規模百貨店におけるストライキは、三越百貨店の48時間スト(1951年12月)が国内初とされる。岩田屋(福岡市、現・岩田屋三越)で57年春に50日超に及んだ例もあるが、それ以来とみられる。労働組合によると、そごう・西武の従業員は全国10店舗で約5000人おり、うち組合員は約4000人に上る。

 セブン&アイは2022年11月、米ファンドのフォートレス・インベストメント・グループにそごう・西武を売却する契約を結んだ。売却額は2000億円程度とみられ、23年2月の売却が予定されていた。だが、テナントの構成などを巡る話し合いが長引いて売却は2度延期され、現在は売却期限が示されていない。

 労働組合によると、従業員の雇用や事業の継承について、そごう・西武の運営会社は具体的な説明をせず、セブン&アイは「守秘義務がある」としているという。組合が求める団体交渉について、セブン&アイは「(従業員の)使用者ではないので応じられない」との立場を取る。

 組合側には、昨年11月の正式発表に合わせて売却先の社名と家電量販大手のヨドバシHDと連携することが伝えられただけという。

 こうしたことから、労働組合の執行部はスト権をてこにして、会社側に情報の開示を迫る戦略を検討。6月23日にあった組合の臨時中央大会で、スト権確立のため全員投票を実施する方針が提起され、この方針は全員一致で可決された。組合員には7月3日の告示で、投票を9~22日に実施し、結果を25日に明らかにすることが伝えられる。

 スト権は組合員の過半数の賛成で確立する。関係者によると、スト権の確立は必至の情勢で、組合執行部はより多くの組合員の賛意を得てスト権を確立したい考えだ。寺岡委員長は「経営陣にプレッシャーを与え、具体的な情報を明らかにさせたい」と説明する。

 具体的なスト戦術は今後決定していく。各店舗のテナントに派遣されている他の企業の従業員や出入りのバイヤーらといった関連する労働者は約3万5000人に上り、全国有数の売上高を誇る西武池袋本店(東京都豊島区)だけで約1万人に達する。スト戦術の内容によっては、こうした人たちに影響が及ぶことも考えられる。

 寺岡委員長は「ストを打ちたいわけではないが(売却計画は)従業員のみならず関連社員やお客様、地域の方々などさまざまな方面に影響が及ぶ。労働組合として説明を求め、役割を果たしたい」と話した。

 そごう・西武の売却計画を巡っては、こうした動きとは別に、セブン&アイの株主でもあるそごう・西武の従業員とOBが米投資ファンドへの売却の差し止めなどを求める株主代表訴訟を東京地裁に起こしている。【東海林智】

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