作家の村上春樹さんは25日夜、ディスクジョッキー(DJ)を務めるTOKYO FMなどのラジオ番組「村上RADIO」で明治神宮外苑地区の再開発について「個人的に強く反対しています」と語った。そのうえで「緑あふれる気持ちの良いあの周回ジョギングコースを、そしてすてきな神宮球場をどうかこのまま残してください。一度壊したものってね、もう元には戻りませんから」と述べた。
村上さんは神宮球場が本拠地のプロ野球・ヤクルトスワローズのファン。1978年、同球場で開幕戦を観戦中、小説を書こうと思い立ち、翌79年「風の歌を聴け」で、群像新人文学賞を受賞した。
この日の番組で村上さんは「ヤクルトスワローズファンなので、東京にいる時は神宮球場に歩いて行けるところにずっと住んでいます」と話した。マラソン愛好家としても知られているが「昔はね、ほとんど毎朝、外苑の周りをランニングしていました」と思い出を語った。
同地区の再開発を巡っては、3月に亡くなった音楽家の坂本龍一さんが闘病中、小池百合子知事に手紙を送り、計画の再考を求めていた。【福島祥】