日本参加の多国間海上訓練 北朝鮮報道「敵の陰険な企て」と批判

　北朝鮮国営の朝鮮中央通信は29日、韓国の主催で31日に実施され、海上自衛隊も参加する多国間海上訓練などを「対（北）朝鮮侵略を全面開始しようとする敵の陰険な企て」だと批判する論評を発表した。

　論評は、米韓両軍が25日に開始した過去最大規模の合同火力訓練を「威嚇的な実動訓練であり、侵略戦争を念頭に、我が共和国相手に武力を使ってみようとする危険な発想」と批判した。その上で、31日に行われる多国間海上訓練を「核戦争の様相が濃い、もう一つの軍事的行動」などと指摘。これら一連の訓練が「（北朝鮮への）全面的な武力侵攻につながらないという保証はどこにもない」として、「侵略戦争の脚本はすでに練習段階を越えて、履行段階に入ったと言っても過言ではない」と強い警戒感を示した。

　多国間海上訓練には日本のほか、米国やオーストラリアなどが参加する予定だ。北朝鮮などが保有する大量破壊兵器（WMD）の搭載が疑われる船舶への対応を想定し、船舶の追跡などを行う海上封鎖訓練を行う。【ソウル日下部元美】