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クマ目撃、山口の市街地で相次ぐ 専門家「想定外地域で遭遇に注意」


 山口県内各地でクマの目撃や市街地への出没が相次いでいる。県内に生息するツキノワグマは本来、人との接触を避ける傾向があるが、専門家らは想定外の接触にも注意し、備えておくよう呼び掛けている。【小澤優奈】

 県警によると、2023年に入って確認されたクマの目撃数は34件(26日午前11時時点)。昨年同時期に比べ26件増えており、今年5月の目撃数は30件に上る。県自然保護課のまとめでは今年4月以降の目撃数は56件に上るが、同課は「目撃数は毎年ばらつきがあり急増しているとはみていない」とする。

 県立山口博物館の動物担当の学芸員で、クマの生態に詳しい田中浩さん(65)は、今年の特徴は「今まで目撃されていなかった地域で見つかっていることだ」と指摘する。田中さんは、5月ごろに目撃されるのは若いオスのツキノワグマだと推定。6月にかけて交尾期に入るオスが、メスを探して市街地にまで出てきてしまっているとの見方だ。

 本来、ツキノワグマは市街地や道路を「危険地帯」と認識して避ける傾向がある。だが田中さんによると、人が山に入る機会が減少してクマの生息地と人の手が入った地域の境界が曖昧になり、クマにとって危険を認知するのが難しくなったという。このため、今まで目撃されていなかった地域や市街地での目撃が相次いでいるとみている。

 周南市の旧徳山地域などで県猟友会の「クマレンジャー」を務める秋本慎也さん(76)は「例年ならこの時期、人目につくところに出てくることはほとんどない。今年のクマの目撃数は異常(に多い)」と話す。秋本さんは、豚やイノシシがかかる「豚熱」の影響でイノシシの数が減少し、「クマの縄張りが広がったのでは」との見方を示す。秋本さんの担当地域ではクマが雌雄共に確認されており、出没機会の増加を肌で感じているという。

 山口博物館の田中さんは「クマがいると想定されていない地域でも出くわすかもしれないと認識し、準備しておく必要がある」。クマは警戒心が強く、熊鈴などで大きな音を出していれば接触を防げることが多い。クマレンジャーの秋本さんは「クマに気付かれたら荷物を置いて気をそらし、後ずさりするように逃げることが大切だ」と話した。

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