パチンコ店の精算機に忘れられていた現金を横領したとして、福島署は23日、県出納総務課主査、五十嵐章友容疑者（52）＝福島市渡利＝を占有離脱物横領容疑で逮捕した。県職員の不祥事が相次いでおり、今年に入ってから逮捕された県職員は4人目。内堀雅雄知事は22日の定例記者会見で謝罪したばかりだった。
逮捕容疑は、4月20日午後10時45分ごろ、福島市内のパチンコ店で、40代男性が精算機から取り忘れた現金6000円を届け出ず、正規の手続きを経ずに横領したとしている。同署は防犯カメラの映像などから五十嵐容疑者を特定した。同署によると、五十嵐容疑者は「覚えていない」などとして容疑を否認しているという。
五十嵐容疑者の逮捕を受け、県は23日午後に記者会見を開き、助川浩一・出納局次長が「県職員の不祥事が続き、信頼回復に向けて再発防止に取り組んでいるさなかに逮捕事案が発生したことは極めて遺憾。法令順守の徹底を図り、県民の信頼回復に努める」と謝罪した。同課によると、五十嵐容疑者は2020年度から、公金を管理する出納局で勤務。4月28日にはコンプライアンス（法令順守）の面談を受けており、その際に「不祥事を起こした職員は（公務員や社会人としての）自覚が足りないのでは」などと話していたという。【松本ゆう雅】
