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残業月199時間で過労死 運転手の遺族が勤務先提訴 大阪


 トラック運転手の男性(当時52歳)=京都府=が2019年、運転中に心筋梗塞(こうそく)を発症して死亡したのは長時間労働が原因だとして、男性の母親(76)が11日、勤務先の会社側に約5400万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。亡くなる直前6カ月の時間外労働は、過労死ライン(月平均80時間)を大幅に上回る月平均159時間に上っていたという。

 訴状などによると、男性は18年10月に運送会社「田平陸送」(大阪府交野市)に入社。19年8月、広島県内の国道でトラックを運転中に心筋梗塞を発症し、病院搬送後に死亡が確認された。トラックは縁石に衝突して止まっていた。

 男性の残業時間は多い月で199時間に達し、北大阪労働基準監督署は22年9月に労災を認定した。終業から始業までの休息時間(勤務間インターバル)は8時間を下回ることが多く、1時間に満たない時もあったという。遺族側は、心身の健康を損なわないよう注意すべき義務を会社側が怠ったと主張している。

 弟(55)によると、男性は20年以上運転手の仕事をしていたが、田平陸送に入社後は「勤務時間が長い。たまらんわ」と漏らすようになった。事故車両を運ぶ業務を主に担当し、一度出勤すると1週間家に帰れないこともあったという。19年8月、母親らが住む香川県の実家に帰省した際は、疲れた様子でほとんど寝て過ごしていた。死亡前日の8月26日に電話で話した時も仕事に追われた様子で、弟は「無理したらいかんぞ」と伝えたが、翌日に男性は車のハンドルにもたれかかった状態で発見された。

 遺族は会社側に説明を求めてきたものの、誠意のある回答は得られず、謝罪もないという。自身も運転手として働く弟は「違法な長時間労働が原因で兄の命は奪われた。会社にはきちんと向き合ってほしい」と訴えた。母親は「息子に先立たれるとは夢にも思っていなかった。つらい気持ちでいっぱいです」とのコメントを出した。

 田平陸送は21年、従業員の健康管理に戦略的に取り組む企業を認定する経済産業省の「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」に選ばれていた。同社は「担当者が不在でコメントできない」としている。【鈴木拓也】

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