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瀬戸大橋開通35周年 本四架橋3ルート、四国に与えた影響は?


 本州と四国を初めて陸路で結んだ「瀬戸大橋」(瀬戸中央道)が4月10日、開通から35年を迎えた。橋のたもとの瀬戸大橋記念公園(香川県坂出市)にはハート形のモニュメントが設置され、新しい撮影スポットが誕生した。2023年は神戸淡路鳴門道の、24年は西瀬戸道(瀬戸内しまなみ海道)の区切りの年でもある。この3ルートは四国をどう変えたのだろうか。資料などを基に調べてみた。

総工費は計3兆円弱

 資料は本州四国連絡高速道路(本社・神戸市)がまとめた内容を参照した。岡山と香川を結ぶ瀬戸大橋は海峡部の総延長が9・4キロで、道路と鉄道の併用ができる橋としては世界最大級。1978年に着工、88年に開通した。神戸淡路鳴門道(兵庫―徳島)は98年、しまなみ海道(広島―愛媛)は99年に全通した。3ルートの総工費は計2兆8700億円に上った。

移動は3時間短縮も

 本州四国間は以前、主にフェリーが利用されていたが、3ルートの開通によって各市役所間は、神戸―徳島(神戸淡路鳴門道)170分▽岡山・倉敷―香川・坂出(瀬戸大橋)80分▽広島・尾道―愛媛・今治(しまなみ海道)100分ほど短縮した。岡山駅―坂出駅もJR瀬戸大橋線の開通で120分縮まった。

交流人口も2倍超に

 本四間の自動車交通量は、新型コロナウイルス禍の影響を受ける前の19年度は、大鳴門橋開通(淡路島―徳島)前年の84年度の約3・5倍に増加した。四国内外の交流人口も19年度は年間6000万人を超え、84年度の約2・1倍になった。このうち84%が、鉄道を含む本四架橋を利用していた。

 瀬戸大橋で岡山―香川を移動した通勤、通学の人数はそれぞれ瀬戸大橋開通前の2・9倍、4・5倍に増加した。また、香川大学の入学者のうち近畿・中国地方出身者の割合が11ポイント、岡山大学では四国出身者の割合が5・5ポイントそれぞれ増えた。

コンビニ出店も後押し

 瀬戸大橋が開通した88年当時、四国内のコンビニ店は各県庁所在地を中心に出店されているだけだった。橋が架かったことによって本州からの配送が安定し、四国内の高速道路ネットワークが拡充した結果、四国内のコンビニ店は30年間で8倍に増えた。

 四国産の農水産物も遠方まで出荷できるようになった。徳島の地鶏「阿波尾鶏」の21年度の生産羽数は、神戸淡路鳴門道が全通した98年度と比べて2・6倍に。香川産ブロッコリーの21年の東京市場での全国シェアは全国2位の約15%に。愛媛産では養殖マダイのシェア(21年)が全国トップ。高知産ミョウガは全国シェア93%(20年)を誇る。

災害時もメリット

 3ルート全てが全通した1999年度~21年度で、台風や豪雨といった気象条件によって全て同時に通行止めになったのは、台風が多く訪れた04年度の4回、西日本豪雨が襲った18年度の2回など7回だけ。18年は7月の豪雨で神戸淡路鳴門道としまなみ海道が通行止めになったが、瀬戸大橋が迂回(うかい)路として機能した。同年9月の台風21号では神戸淡路鳴門道と瀬戸大橋が通行止めになったものの、しまなみ海道の通行が可能だった。【佐々木雅彦】

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