starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

青森の5人死亡住宅火災 住民ら「恨み買うような一家ではない」


 13日午前1時10分ごろ、青森県六戸(ろくのへ)町犬落瀬(いぬおとせ)の左官業、十文字利美(じゅうもんじ・としみ)さん(68)方から「家が燃えている」と119番があった。午前5時50分ごろ鎮火したが、木造一部2階建て約340平方メートルを全焼し、焼け跡から性別不明の5人の遺体が見つかった。十文字さんの同居する妻(67)ら家族4人と連絡が取れていない。遺体のうち1人は住人でないとみられる。燃え方が激しく、県警は放火殺人事件の可能性もあるとみて捜査している。

 県警によると、十文字さん方は妻とその母(88)、次女(39)とその夫(38)、次女の長男(16)と次男(13)と長女(9)の4世代8人暮らし。このうち連絡が取れていないのは妻とその母、次女、次女の長女の計4人。

 出火当時、次女の夫は同県十和田市内の勤務先から帰宅しておらず、他の7人が在宅していた。1階の同じ部屋で妻と就寝中だった十文字さんと、2階の同じ部屋で就寝中だった次女の長男と次男は、いずれも避難して無事だった。十文字さんの妻は母を助けようとして逃げ遅れた可能性があるという。火災報知機の音に気付いて目を覚ました次女の次男がスマートフォンで119番した。

 県警は火元や出火原因を調べるとともに、遺体の身元確認を急いでいる。遺体は屋内の2カ所で各2人、屋内のもう1カ所で残る1人が見つかった。いずれも焼け方が激しいため、目立った外傷の有無を含めて14日以降、同県弘前市の弘前大で司法解剖して調べる。

 現場は六戸町役場の西方約300メートル。田畑に住宅が散在している。【江沢雄志、近藤卓資】

「仲の良い家族」無事願う声

 真っ暗な夜空に燃え上がる炎――。青森県六戸町の田畑に囲まれた閑静な住宅地で13日未明に発生した火災は、5人が亡くなる惨事となった。事件の可能性も浮上する中、住民からは連絡が取れなくなっている家族らの無事を願う声が聞かれた。

 火災が起きた十文字利美さん(68)宅は、柱だけを残して焼け崩れた。早朝から警察の規制線が張られ、捜査員が慌ただしく行き来した。近くの80代男性は「電柱の上くらいの高さまで真っ赤な炎が上がっていた。このあたりでは見たことも聞いたこともない火事で、怖かった」と声を震わせた。別の近隣男性(74)は「火の粉とともに破裂音もして、近づけなかった」と火災の激しさを振り返った。

 近くを自転車で通りかかった70代女性は、連絡が取れていない十文字さんの妻の母(88)は長く寝たきりだったと話し、「火事が起きてもすぐに逃げられなかったのでは……」と心配した。同じく安否が分からない十文字さんの次女(39)は高校卒業後、10年ほど前まで近くのデイサービスで働いていたという。当時の様子を知る近隣男性は「お年寄りの気持ちをくんであげるような対応で(仕事ぶりは)良かった」と語った。

 同じく連絡が取れていない次女の長女(9)が通う町内の小学校では7日に始業式があり、新4年生として学校生活がスタートしたばかりだったという。校長は取材に「運動が得意な児童。(事件に巻き込まれたとは)信じたくないし、どこかに避難して無事であってほしい」と祈るような表情で話した。

 十文字さんについて近所では「町内会でも面倒見がよく、優しい人」との声が聞かれた。安否不明の妻(67)と次女はよく母子で共に農作業をしていたといい、「(十文字さんの)孫たちもにぎやかに遊んで、家族仲は良さそうだった」と話す人もいた。妻は地域の役員で「相談役」を務めているといい、知人男性(69)は「行事にも熱心で、周りから頼られる存在。恨みを買うような一家ではない。何があったか」と首をかしげた。

 次女の次男(13)が通う町内の中学校の級友は「いつも親子でキャッチボールやバーベキューをして、仲の良い家族。(次女の長女とも)遊んだことがあるけど、明るくて楽しい子。兄弟の仲も良いのに、こんなことになってつらい」と肩を落とした。【近藤卓資、江沢雄志、鈴木拓也、土江洋範】

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.