沖縄県の宮古島付近で10人が搭乗した陸上自衛隊ヘリコプターが6日に行方不明となった事故で、自衛隊や海上保安庁は態勢を拡充し、9日も捜索を続けている。8日夜には伊良部島（沖縄県宮古島市）の海岸で「人が浮いている」との情報があった。9日正午の時点で防衛省に新たな情報は入っておらず、乗員の安否は分かっていない。
自衛隊は9日、海空自衛隊の航空機、海自の掃海艇に加えて潜水艦救難艦を投入した。掃海艇と潜水艦救難艦は、海中の物体を音波で探知できるソナーを備えており、機体の有無を調査している。潮の流れを想定し、航空機や艦艇の捜索範囲は当初より広げている。
9日午後からは、地上からの捜索を前日から約100人増やして約380人態勢とする。宮古島をはじめ、ヘリがレーダーから消失した海域に近い伊良部島、下地島の北側を中心に、手がかりがないかを沿岸から観測する。
宮古島市消防本部によると、8日午後7時40分ごろ、伊良部島周辺の海で「人のようなものが浮いている」との通報があった。数時間後に到着した海保のヘリが近づいて現場付近にサーチライトを当てて捜索したが、何も見つからなかった。【内橋寿明、島袋太輔、木下翔太郎】
