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米最高裁判事に豪華接待スキャンダル 共和党支持者の資産家から


 米連邦最高裁の保守派クラレンス・トーマス判事が、共和党支持者の資産家から豪華な旅行などの接待を受けた疑惑が浮上している。トーマス氏は7日に声明を出し「親しい友人からのもてなしで、開示の必要がないと助言された」と釈明。最高裁判事は米国の倫理や価値観に大きな影響を及ぼす憲法判断を下す立場のため、民主党などから批判の声があがっている。

 疑惑は、非営利の米調査報道機関「プロパブリカ」が6日に報じた。プロパブリカによると、この共和党支持者の資産家は不動産王のハーラン・クロウ氏。数十年にわたって共和党に大口の政治献金をしており、公開されているものだけで1000万ドル(約13億円)を超えるという。司法を右傾化させる運動にも熱心に関わっているとされる。

 トーマス氏夫妻は2019年6月、クロウ氏と一緒にインドネシアを旅行した。クロウ氏の大型プライベートジェット機で向かい、接客係やシェフも帯同する全長約50メートルの豪華ヨットで9日間の島巡りを楽しんだという。費用は50万ドル(約6600万円)を超えるとみられている。

 こうした接待は20年以上にわたって繰り返されていたといい、トーマス氏はクロウ氏のジェット機やヨットで米国内外を頻繁に旅行していた。毎年夏には、東部ニューヨーク州北部にあるクロウ氏のリゾート施設で休暇を過ごすのが恒例になっているという。

 クロウ氏は声明で、トーマス氏夫妻とは1996年からの友人だと強調し、「他の多くの友人をもてなしてきたのと何も変わらない」と反論。「いかなる法的、政治的問題についてもトーマス氏に影響を与えようとしたことはない」とし、トーマス氏が接待を求めたこともないと主張した。

 裁判官は、原則として415ドル(約5万5000円)以上の贈答品は毎年の資産報告書で開示しなければならない。プロパブリカによると、トーマス氏が受けた接待は開示されておらず、情報公開の規定に抵触する可能性があるという。プロパブリカは多数の関係者の証言を基に報じた。

 トーマス氏は91年に共和党のブッシュ(父)元大統領に指名され、最高裁判事に就任した。声明で「就任当初に同僚らに意見を求めたが、裁判に関係のない親しい友人からの個人的なもてなしは報告対象ではないと言われた」と釈明している。

 最高裁判事(定員9人)は事実上の終身制。判決は小差で決まることが多いため、各判事の影響力は大きい。現在はトーマス氏を含む保守派6人、リベラル派3人の構成になっている。

 民主党議員からは批判の声が相次いでいる。上院司法委員会のディック・ダービン委員長は6日の声明で「最高裁が最低の倫理基準を持つべきではない。トーマス氏の行動はあらゆる公務員に期待される倫理基準に反している。委員会は行動を起こす」と非難した。急進左派の民主党議員からは辞任や弾劾を求める声もあがっている。【ワシントン鈴木一生】

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