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大成建設が虚偽報告 鉄骨部分が精度不良 複合ビル建て直しへ


 大手ゼネコン「大成建設」(東京都)は16日、札幌市中央区で開発中の大型複合ビルの建設で、鉄骨の精度について実際とは異なる数値を工事監理者に報告していたと発表した。発注者が定めた品質基準を満たしていないため、当初、2024年2月に完成予定だったが、26年6月末に遅れる。専務執行役員の寺本剛啓取締役と常務執行役員の平島信一札幌支店長は責任を取って今月末に辞任する。

 この複合ビルは、NTT都市開発が開発中の複合ビル。今年1月、同社が現場を確認した際、不審な点に気づき、大成建設が測定し直した。同社によると、建物の鉄骨部分722カ所のうち、70カ所が精度不良だったという。NTT都市開発によると、26階建ての北棟は15階まで、南棟は全7階の鉄骨が組み上がっていたというが、地上部分の全てと地下部分の是正対象部分を撤去し再構築するという。同社は「(大成建設との)信頼関係を失って残念だ」とコメントした。

 大成建設は「品質管理の担当者が工期が厳しくなることを気にして、数ミリ程度の精度不良であれば、品質上問題ないと考え、実測値と異なる数字を報告した」と説明した。品質管理は工事課長代理が1人で担当していたという。

 この建物は、地上26階、地下2階、延べ床面積は約6万平方メートル。ホテルやオフィス、商業施設が入居予定。旧北海道放送本社跡地。【道下寛子】

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