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米露の軍用機が黒海上空で衝突 米「無謀で危険な行為」と非難


 米欧州軍は14日、黒海の公海上空を飛行していた米空軍の無人航空機(ドローン)「MQ9」がロシアの戦闘機スホイ27と衝突したと発表した。MQ9は損傷し、米軍が公海上に墜落させた。欧州軍は「ロシア軍の無謀で危険な行為だ。誤解や意図しない深刻な事態を招きかねない」と非難した。

 黒海はロシアによる侵攻が続くウクライナ南部に面しており、米露などの軍用機が情報収集などで頻繁に上空を飛行している。侵攻が始まった昨年2月以降で、米露の軍用機が衝突するのは初めて。米国務省のプライス報道官は14日の記者会見で、トレーシー駐ロシア大使がロシア外務省に抗議したと明らかにした。

 米国防総省や欧州軍によると、衝突が起きたのは現地時間の同日午前7時ごろ。衝突前に2機のスホイ27が30~40分ほど通常任務を行っていたMQ9の前で燃料を捨てるなどの妨害行為をしていたという。そのうち1機がMQ9のプロペラに衝突。MQ9は墜落を余儀なくされた。スホイ27も損傷しているとみられるという。

 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は14日の記者会見で、黒海上空でのロシア軍機による妨害行為は「珍しいものではない。ここ数週間で何度かあった」と説明。「MQ9が墜落しており、いかに危険でプロフェッショナルではない行為だったかは注目に値する。黒海はどの国のものでもなく、米軍は安全保障上の利益のために公海上空の飛行を続ける」と強調した。【ワシントン鈴木一生】

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