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貸別荘の宿泊人数水増し GoTo給付金詐取容疑で2人書類送検


 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国の旅行需要喚起策「GoToトラベル」の給付金をだまし取ったとして、和歌山県警白浜署などは8日、和歌山県白浜町にある貸別荘を運営する50代男性と、大阪市北区にある旅行会社の30代男性社長の2人を詐欺と詐欺未遂の疑いで和歌山地検田辺支部に書類送検した。県警への取材で判明した。

 書類送検容疑は、共謀して白浜町の貸別荘に宿泊した人数を33人分水増しして観光庁に申請し、2020年8~9月分の46万200円を詐取し、同11月分も58人分を水増しし、81万2000円を詐取しようとしたとされる。容疑を認めているという。

 署などによると、閑散期でも最大の利用可能人数で申請していたことを不審に思った「GoToトラベル」事務局の担当者が追加の説明を求めると、申請が取り下げられたという。事務局からの相談を受けた県警が捜査していた。

 給付金は旅行会社に交付され、だまし取った分を2人で分配していたという。2人は知人だといい、調べに対し「コロナ禍で減った収益を確保するためだった」などと動機を説明しているという。【駒木智一】

「同行者の確認は不要」悪用か

 和歌山県内有数の観光地、白浜町で起きた「GoToトラベル」を悪用した詐欺事件。不正の舞台となった貸別荘は白良浜まで車で約10分の好立地にある。コロナ禍による観光客減少の中、懸命な営業努力を続けてきた宿泊業界からは「客への裏切り行為。業界全体のイメージが悪化する」などと憤る声があがった。

 公式ホームページによると、貸別荘は2~8人が利用可能な貸し切り制。料金は2人で1泊2万円程度、8人で4万4000円程度からとなっている。「GoTo」は当初、各宿泊グループの代表者のみ免許証やマイナンバーカードなどによる本人確認が求められ、同行者の確認は不要だった。県警は2人が簡素な仕組みを悪用し、少人数での申し込みでも「8人宿泊」と偽るなどし、水増しされた給付金をだまし取っていたとみている。

 町によると、20年の7~8月、町内の宿泊客は前年比約4割減の24万7900人だった。当初、白良浜は5月の海開きを予定していたが、7月に延期。海開き後も海水浴客は戻らなかった。不正請求があったのは、町の宿泊業界が観光客減に加えて感染対策にも追われ、苦悩の続いた日々と重なる。

 それでも開設できた白良浜などと違い、町内の椿海水浴場は密の回避が難しいと判断。開設を見送った。周辺の宿泊施設は条件が悪い中でも経営努力を重ねてきた。近くの旅館の女将(おかみ)は「コロナ禍で業界は大変だったが、制度面では優遇されてきただけに、給付金を悪用した業者がいたのは残念。苦しくても一生懸命やってきたところばかりなのに」と話していた。【大塚愛恵】

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