中小２社に課徴金１．５億円命令＝炭素鋼継ぎ手カルテル―公取委

　配管の分岐などに使われる炭素鋼製の継ぎ手を巡り、製造販売業者が価格カルテルを結んだとして、公正取引委員会は１５日、独禁法違反（不当な取引制限）で中小企業の「古林工業」（大阪市）と「淡路マテリア」（兵庫県洲本市）の２社に計約１億５０００万円の課徴金納付と再発防止を求める排除措置を命じたと発表した。 　発表によると、２社と「ベンカン機工」（群馬県太田市）は利益確保などを目的に、２０１６年１１月、炭素鋼継ぎ手の販売価格を引き上げることで合意。同年１２月～１９年４月に取引基準価格の値上げなどを行った。カルテルには各社の代表取締役も関与しており、違反行為が認定された売り上げ分は３社で計約１５５億円に上るという。 　ベンカン機工は課徴金減免制度に基づき、公取委の調査前に違反行為を自主申告したため、納付命令を免れた。今回カルテルを認定された継ぎ手の市場シェアは３社で９９．８％を占める。 　古林工業は「担当者がいないため、コメントできない」としている。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕価格カルテルがあったと認定された炭素鋼製の継ぎ手＝１５日午後、東京都千代田区