イタリア製拳銃使用か＝消音器用いた可能性も―王将社長射殺・京都府警など

　「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行さん＝当時（７２）＝が射殺された事件で、特定危険指定暴力団工藤会系組幹部の田中幸雄容疑者（５６）＝殺人容疑などで逮捕＝が使用した拳銃はイタリア製だったことが１日、捜査関係者への取材で分かった。発覚を防ぐためサイレンサー（消音器）が使われた可能性もあり、京都府警と福岡県警の合同捜査本部が調べている。 　大東さんは２０１３年１２月１９日早朝、車で京都市山科区の同社本社に出勤した際、拳銃で腹部などを４発撃たれ失血死した。これまでに使用された拳銃は見つかっていない。 　捜査関係者によると、府警が現場に残されていた薬きょうなどを詳しく調べた結果、使用されたのは２５口径のイタリア製自動式拳銃と判明した。小型のため海外では護身用に使われることが多く、暴力団関係者が事件に用いるケースは少ないとされる。　 　事件当時、現場付近で銃声を聞いたとの情報がないことから、サイレンサーが装着されていた可能性もあるという。 　田中容疑者は０８年、大手ゼネコンの社員ら３人が乗った車を銃撃し、懲役１０年の判決を受け確定した。この時も４発撃つなど、今回の事件と手口が類似していた。 　大東さんと田中容疑者との接点は確認されていない。合同捜査本部は動機の解明を進めるとともに、工藤会の組織的な関与も視野に入れ、捜査を進めている。（了）【時事通信社】