近隣住民「長かった」＝王将社長、捜査に謝意―京都

　王将フードサービスの社長だった大東隆行さん＝当時（７２）＝射殺事件が重大な局面を迎えた２８日、京都市山科区にある事件現場の同社本社前は、関係者が行き来するだけでひっそりとした様子だった。出勤した従業員は、集まった報道陣の問い掛けにも無言で、足早に社内に入った。 　同社の渡辺直人社長は午前１０時半ごろ本社前に現れ、「事件発生当初から早期解決を願っていたので、捜査に携わった方々に感謝申し上げたい。今後も大東さんの遺志を継ぎ、お客さまのために従業員一同取り組んでまいります」と話した。 　近所に住む８０代の女性は「ずっと解決してほしいと思っていた。事件発生から９年は長かった」と話す。大東さんについて「いつも本社近くのごみ捨て場を掃除してくれる優しい人」と振り返り、「事件後は奥さんと話もできなかったが、落ち着いたら会いたい」と願った。 　同区の７０代女性は「住宅街で大変な事件が起きたんだとびっくりしたのを覚えている。あまり証拠がないのかなと心配していたが、地道な捜査をしたのだろう」と語る。「裏で何が起きていたのか気になる。府警にはもっと頑張ってほしい」と捜査の進展に期待を寄せた。　 　掃除をする大東さんと趣味の競馬の話で盛り上がったという近所の山下幹雄さん（８１）は、「同い年ということもあり、良くしてもらっていた。誰にでも分け隔てなく接する気さくな方で、（容疑者が逮捕されれば）大東さんも少しは報われるのでは」と語った。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕王将フードサービス本社前で取材に応じる渡辺直人社長＝２８日午前、京都市山科区 〔写真説明〕王将フードサービスの社長だった大東隆行さんが殺害された京都市山科区の本社前＝２８日午前、京都市山科区