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ガのアルプス越えを追跡=最長約90キロ、軽飛行機で―国際チーム


 秋にドイツからアルプス山脈を越えて南へ移動する大型のガに微小な電波発信機を取り付け、夜間に飛ぶルートや速度を軽飛行機で追跡して観察したと、独マックスプランク研究所などの国際研究チームが19日までに米科学誌サイエンスに発表した。追跡距離は最も長く観察できた個体で約90キロで、昆虫では新記録という。  このガは「ヨーロッパメンガタスズメ」(スズメガ科)。春に地中海沿岸やアフリカ北部からアルプス山脈の北側に渡って来た親から生まれた次世代が、秋に地中海沿岸などに戻る。体重は2.7グラム前後で、0.2グラムの電波発信機を取り付けても飛行に支障はない。  研究チームは幼虫から成虫まで育てた14匹の渡りを観察し、このうち7匹は詳細な記録を取れた。ドイツ南端を日没の約1時間後に飛び立ってから、最初に止まって休むまでを軽飛行機で追跡し、5~15分おきに全地球測位システム(GPS)で位置を記録した。  その結果、南か南西の方向に平均時速33.8キロ、最高同69.7キロで飛行。追い風では上空高くをゆっくり飛び、向かい風では低空を速く飛ぶ傾向があった。飛行ルートはほぼ真っすぐで、夜でも優れた視力で地形を手掛かりにしているほか、地磁気を感じていると考えられる。  チョウやガなどの昆虫が長距離を移動する様子の研究は渡り鳥に比べて遅れていたが、技術の発達で解明が進むと期待される。 【時事通信社】 〔写真説明〕秋にアルプス山脈を越えて南へ渡る大型のガ「ヨーロッパメンガタスズメ」(右)。国際研究チームが軽飛行機で追跡した(独マックスプランク研究所提供) 〔写真説明〕秋にアルプス山脈を越えて南へ渡る大型のガ「ヨーロッパメンガタスズメ」に小さい電波発信機を取り付ける様子(独マックスプランク研究所提供)
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