イプシロン打ち上げ失敗＝指令破壊信号を送信―上昇中にトラブル・ＪＡＸＡ

　宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）は１２日午前９時５０分、固体燃料ロケット「イプシロン」６号機を、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げたが、上昇中に何らかのトラブルが生じ、「ロケットが安全な飛行ができない」として、ロケットに指令破壊信号を出した。打ち上げは失敗した。 　ＪＡＸＡは原因を調べている。 　イプシロンの打ち上げ失敗は、２０１３年の初号機以来初めて。ＪＡＸＡの大型ロケットとしては０３年１１月のＨ２Ａロケット６号機の失敗以来となる。　 　イプシロン６号機は全長２６メートル、重さ９６トンの３段式固体ロケットで、宇宙開発ベンチャー「ＱＰＳ研究所」（福岡市）が開発した地球観測衛星「ＱＰＳ―ＳＡＲ」３、４号機など小型衛星８基を搭載。ＱＰＳ―ＳＡＲはＩＨＩエアロスペース（ＩＡ）が打ち上げ契約を受注しており、イプシロンロケットで初の商業打ち上げだった。 　ＪＡＸＡは当初、７日の打ち上げを予定していたが、ロケットの追跡に用いる測位衛星の位置の条件が悪く、最悪の場合、ロケットを見失う恐れがあるとして延期した。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕打ち上げられたイプシロンロケット６号機＝１２日午前、鹿児島県・内之浦宇宙空間観測所