「ＩＴ化機に審理改善を」＝戸倉新長官が就任会見―最高裁

　第２０代最高裁長官に２４日付で就任した戸倉三郎氏（６７）が最高裁で記者会見し、「適正、迅速な裁判の実現に向けた努力を積み重ね、国民の信頼をより高められるようにしていきたい」と抱負を語った。 　新型コロナウイルスの流行を受け、「感染リスクを回避しながら裁判の機能をどのように維持するかという困難な問題に直面した」と指摘し、裁判手続きのＩＴ化について「インフラとして大きな意義がある」と述べた。 　ＩＴ化に伴い、裁判の在り方を検討することの重要性にも言及。「審理の合理化、迅速化など、さらなる改善につながることが求められている」と話した。　 　４月施行の改正少年法で、裁判員の対象年齢が２０歳以上から１８歳以上に引き下げられたことに関しては、「多様性が高まり、評議がより深まると考えている。新鮮な視点で意見を述べていただきたい」と期待感を示した。 　２４日付で最高裁判事に就任した今崎幸彦氏（６４）も続いて会見に臨み、「身の引き締まる思い」と心境を述べた。刑事裁判官歴が長く、「事件と向き合い、他の裁判官の足を引っ張らないように一生懸命やることに尽きる。当事者の思い、主張に耳を傾け、謙虚に裁判に当たりたい」と抱負を語った。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕就任の記者会見に臨む戸倉三郎最高裁長官＝２４日午後、東京都千代田区（代表撮影）