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一家離散、いじめ、不登校=原告ら、苦難の避難生活―原発訴訟


 東京電力福島第1原発事故をめぐる避難者訴訟は、故郷を追われ、見知らぬ地で強いられた苦難の一端も明らかにした。一家離散、転校先でのいじめ、不登校―。最高裁の法廷で、原告の一人は「原発は国策民営です。国の責任逃れは許せない」と訴えた。  各訴訟の上告審弁論は4~5月、千葉、群馬、福島、愛媛の順で行われ、原告側は陳述書で避難者らが置かれた現状を明らかにした。  「気が狂いそうで、毎日のようにつらくて泣いていました」。ある女性は、茨城県北部から避難した愛媛県での生活をこうつづった。「大げさ」「気にしすぎ」と散々言われ、夫とは離婚した。当時5歳の娘と3歳の息子を抱え、知らない土地で、不慣れな仕事に追われた。  実家は福島県いわき市。帰省しても愛媛に戻る際は、決まって涙が流れた。「原発事故をなかったことにはできない」との思いが故郷を遠ざけ、母の死に目にも会えなかった。「子供を振り回し、人生を変えてしまった」。自責の念も抱える。  11歳で被災した20代の男子大学生は、父と一つ違いの弟と、福島県川内村から埼玉県所沢市に避難した。「放射能がうつる」「帰れ」。心無い言葉を浴びせられ3カ月で不登校となった。  中学から通った愛媛県内の学校でも不登校となり、進学した島の高校は1人で生活したものの、アパートから逃げ出した。「将来の夢、やりたい仕事は考えたことがない」という。  「原発は最初から国策民営。福島に建設していいと許可したのも国、首都圏で消費する電気なのに発電所を福島に押し付けていいと決めたのも国です」。群馬県に避難したある原告は、一人ひとりに降り掛かった苦難、憤りを代弁した。判事が聞き入る中、「東電に賠償金を払わせて国は責任を逃れるなんて絶対に許せない」と訴えた。 (了)【時事通信社】
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