「学校を安全な場に」＝池田小で追悼式典―児童殺傷から２１年・大阪

　児童８人が殺害されるなどした大阪教育大付属池田小学校（大阪府池田市）の殺傷事件は８日、発生から２１年を迎えた。同校では追悼式典「祈りと誓いの集い」が開かれ、遺族らが犠牲者に祈りをささげ、安全な学校への決意を新たにした。 　式典では、事件が起きた午前１０時１２分に合わせ、死亡した児童８人の名前が刻まれた「祈りと誓いの塔」の鐘が鳴らされ、遺族や児童らが黙とう。オンライン中継も含めて約７７０人が参加した。 　事件当時、６年生の担任だった真田巧校長は「学校が安全で安心して学べる場所であるようにこれからも努力を続ける」と述べ、安全管理に尽力すると誓った。６年生の児童代表３人も「８人の大切な思いを決して忘れることなく、未来へ語り継いでいくことが私たちの役割だ」と話した。 　式典終了後、犠牲となった本郷優希さん＝当時（７）＝の父紀宏さん（５７）が取材に応じ、「娘への思いに寄り添いながら２１年間生きてきた。大切な優希への思いが変わることはない」と胸中を語った。紀宏さんは事件発生時刻に、優希さんが命を落とした廊下にひざまずき、床をなでた。 　事件は２００１年６月８日に発生。宅間守元死刑囚＝０４年９月に刑執行＝が包丁を持って同校に侵入し、児童８人を殺害、児童１３人と教諭２人に重軽傷を負わせた。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕８人が死亡した大阪教育大付属池田小学校の殺傷事件から２１年となり、追悼式典で花を供える児童ら＝８日午前、大阪府池田市