上智大、講師に賃金不払い＝労基署の勧告拒否

　上智大（東京都千代田区）で非常勤講師の女性への賃金不払いがあったとして、中央労働基準監督署（文京区）が大学側に是正勧告していたことが分かった。女性や加入する労働組合が３１日、記者会見して公表した。
　大学を運営する学校法人は期限までに労基署への改善報告をしなかったといい、女性側は同日、労働基準法違反容疑の告発状を同署に提出した。　
　女性は大学で日本語を教えており、授業時間に応じて給与が支払われている。会見によると、授業用教材を作成するため２０２０～２１年に計約１０５時間働いたとして、約７５万円分の賃金が支払われていないと訴えたが、学校法人は「授業給に含まれる」として応じなかったという。
　労基署は今年２月、不払いを認めて是正勧告したが、学校法人は勧告書の受け取りを拒否。期限までに改善報告しなかった。労組は「有名大の勧告拒否は聞いたことがない」としている。
　学校法人上智学院の話　労基署との相談、協議が継続中なため、個別事案の回答は差し控える。（了）
【時事通信社】
〔写真説明〕上智大の賃金不払いについて記者会見する非常勤講師の女性＝３１日午後、厚生労働省