対ロシアで温度差浮き彫り＝バイデン米大統領、豪印首相と個別会談

　来日中のバイデン米大統領は２４日午後、首相官邸で、日米豪印４カ国「クアッド」首脳会議に出席したオーストラリアのアルバニージー首相、インドのモディ首相と個別に会談した。経済や安全保障面で連携強化の方針を打ち出す一方、ロシアの伝統的友好国であるインドとの温度差も浮き彫りになった。 　ホワイトハウスによると、２３日に就任したばかりのアルバニージー首相との初会談でバイデン氏は、就任初日にクアッド出席のため日本を訪問したことに謝意を表明した。双方はロシアのウクライナ侵攻に触れ、「このような事態がインド太平洋地域で繰り返されないようにする」ための連帯で一致。台湾への軍事圧力を強める中国をけん制した。 　モディ首相との会談では、宇宙やサイバー、人工知能（ＡＩ）など新たな軍事分野での協力拡大で合意した。中東バーレーンを拠点とし、海賊・テロ対策を目的とする多国間の海上警備部隊にインドが準参加国として加わることも発表した。 　ロシアのウクライナ侵攻に関しては、バイデン、モディ両氏が人道支援を継続する意向を表明。ただ、ホワイトハウスの発表文に記載された「ウクライナに対するロシアの不当な戦争を非難した」の主語は、「バイデン大統領」だった。　【時事通信社】 〔写真説明〕２４日、東京都内の首相官邸で会談するバイデン米大統領（右）とアルバニージー豪首相（ＡＦＰ時事） 〔写真説明〕２４日、東京都内の首相官邸で会談するバイデン米大統領（右）とインドのモディ首相（ＡＦＰ時事）