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大陸からの新旧系統交雑=小柄なニホンオオカミ―DNAで起源推定・山梨大や科博


 20世紀初めに絶滅したニホンオオカミの起源を探るため、山梨大や国立科学博物館などの研究チームは死骸や化石からDNAを抽出し、解析した成果を10日発表した。更新世の5万7000~3万5000年前にユーラシア大陸から日本列島に渡った古い系統の大柄なオオカミと、3万7000~1万4000年前に大陸から渡って来た新系統のオオカミが交雑し、小柄なニホンオオカミが生じたと推定した。  ニホンオオカミは大陸や北米に現在生息するハイイロオオカミの亜種だが、更新世の日本に生息した大柄なオオカミとの関係が化石の形の比較では分からず、大陸から日本に来て小型化したという説と直接の関係はないという説があった。山梨大の瀬川高弘講師は「古い系統が新系統に完全に置き換わったのではなく、交雑して新しい集団が形成されたとみられることが、DNAの解析で初めて分かった」と話している。  更新世の日本各地にはヒグマやオオツノジカ、ナウマンゾウなどの大型哺乳類が生息しており、これらも大陸から断続的に渡来して重層的に置き換わった可能性が考えられるという。  解析対象は栃木県佐野市の採石場で見つかっていた更新世の大柄なオオカミの頭骨とニホンオオカミの頭骨の一部で、放射性炭素測定で年代がそれぞれ約3万5000年前、約5000年前と判明した。細胞核のDNAや細胞小器官ミトコンドリアのDNAを抽出し、大陸のハイイロオオカミなどを含めて比較解析した結果、関係を推定できた。論文は米科学誌カレント・バイオロジー電子版に掲載された。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕絶滅したニホンオオカミの剥製(国立科学博物館提供)
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