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パンダ、飛鳥時代にも?=「唐女帝が贈呈」説を追う―日本書紀には記述なし・来日50年


 そのかわいらしさから、世代を超え愛されるジャイアントパンダ。今年は来日から半世紀の節目となるが、実は約1300年前の飛鳥時代に中国の女帝から贈られたとの説もある。本当なのか。真相を追った。  パンダは1972年、国交正常化を機に中国から来日。現在、上野動物園(東京都台東区)など3施設で13頭が暮らし、仙台市などが誘致を続ける。  同園はホームページ(HP)でパンダの生態を紹介する中で、中国史上唯一の女帝だった唐の則天武后が「685年につがいのパンダ2頭と毛皮70枚を贈っており、日本書紀にも記されている」との説を披露。該当部分として、「是歳、越国守阿倍引田臣比羅夫、討粛慎、献生羆二、羆皮七十枚」を挙げる。  京都産業大の久禮旦雄准教授(日本古代史)によると、「658年、阿倍比羅夫が粛慎(北海道にいたと思われる、大和政権に従わない人々)を討伐し、生きたヒグマ2匹、ヒグマの皮70枚を斉明天皇に献上した」と解釈できるという。ただ、共通なのは「2匹(頭)」と「皮70枚」だけで、年も含め他は異なる。  上野動物園は謎を解く手掛かりとして、1冊の本を挙げる。1956年出版の外国書籍の邦訳「世界動物発見史」(平凡社)だ。ここに「日本の皇室年代記によると、六八五年一〇月二二日、中国の皇帝が日本の天皇に生きている白熊二頭と白クマの皮七〇枚を贈った」と記されている。  同書より後の「パンダ」(中央公論社)もこの説を紹介し、訳者は「皇室年代記」が日本書紀を示すと指摘。両書は、「白熊」が中国にいないホッキョクグマではなく、パンダを指す可能性があるとしている。  ただ「皇室年代記」の正体は分からず、上野動物園側も「『世界動物発見史』の真偽は不明」と指摘。久禮准教授は「日本書紀そのものではなく、同書の抜粋書のような書籍を基にしたため不正確な記述になったのでは」と推測する。  日本パンダ保護協会(東京都中央区)の土居利光会長は「飛鳥時代来日説を聞き、由来や生態を真剣に調べてもいいし、歴史やロマンを感じてもいい。わずかな記述から想像が膨らむのも人気者のパンダだからこそだ。一人ひとりが好きなように楽しんでくれれば」と話している。   ◇パンダと日本をめぐる主な動き  618年 唐が建国される  642年 皇極天皇が即位(~645年)  645年 大化の改新  655年 斉明天皇が即位(~661年)  658年 阿倍比羅夫が粛慎(みしはせ)を討伐し、生きたヒグマ2匹、ヒグマの皮70枚を斉明天皇に献上(日本書紀)  685年 唐の則天武后が、つがいのパンダ2頭と毛皮70枚を贈る(上野動物園のホームページ) 1931年 満州事変   37年 日中戦争始まる   45年 日中戦争など終了   72年 日中国交正常化(9月)、カンカンとランランが上野動物園に到着(10月)   78年 日中平和友好条約締結 2017年 上野動物園でシャンシャン誕生(6月12日)   21年 同園で双子誕生(6月23日)   22年 パンダ来日から50年 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ジャイアントパンダの双子の雄シャオシャオ(上)と雌レイレイ(下)=3月22日、東京都台東区の上野動物園(公益財団法人東京動物園協会提供) 〔写真説明〕ジャイアントパンダのシンシンと、双子の雄シャオシャオ(中央)と雌レイレイ(左)=3月22日、東京都台東区の上野動物園(公益財団法人東京動物園協会提供)
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