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　西山事件　沖縄返還協定をめぐり、毎日新聞政治部記者だった西山太吉さんが米軍用地の原状回復費４００万ドルを日本政府が肩代わりするという機密公電を入手したが、入手先の外務省女性事務官＝一審で有罪確定＝と共に国家公務員法違反容疑で逮捕された事件。作家山崎豊子さんの小説「運命の人」のモデルにもなった。 　検察が起訴状に「ひそかに情を通じ」と記して男女関係を通じて手に入れたことを暴露し、西山さんは一審判決後に毎日新聞を退社した。一審は無罪だったが、二審で逆転有罪となり、７８年に最高裁で確定。最高裁は西山さんの取材手法を「正当な取材活動の範囲を逸脱する」と認定した。 　２０００年以降、密約を裏付ける公文書が米国で相次いで見つかった。西山さんは０５年、起訴は違法だとして国に謝罪と損害賠償を求める訴訟を起こしたが、０８年に敗訴。同年、外務省と財務省に対し、密約の存在を裏付ける文書の開示を求めて情報公開請求したが、不開示処分となった。 　０９年には国に開示や慰謝料を求める訴えを起こし、一審東京地裁は全文書の開示を命じた。しかし二審東京高裁は請求を退け、１４年に最高裁で確定した。（了）【時事通信社】