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「私は犠牲者だが勝利者」=元毎日記者の西山さん―沖縄密約、事件から50年


 1971年6月の沖縄返還協定をめぐり、外務省の女性事務官から機密公電を違法に入手したとして、元毎日新聞記者の西山太吉さん(90)が国家公務員法違反容疑で逮捕された事件から4日で50年。西山さんが取材に応じ、「私は犠牲者だが勝利者。負けたのは国家だ」と振り返った。  西山さんは、米軍用地の原状回復費400万ドルを日本政府が肩代わりするとした公電のコピーを入手。これを基に記事を書いたほか、社会党の横路孝弘衆院議員(当時)に渡し、横路議員が国会で追及した。72年4月4日、女性事務官と共に警視庁に逮捕され、78年に最高裁で有罪が確定した。  交渉の当事者だった吉野文六・元外務省アメリカ局長は裁判で「密約はない」と証言したが、2006年に初めて密約の存在を認め、西山さんらが国に密約文書の開示を求めた訴訟でも同様に証言した。西山さんは、吉野氏に偽証があったとして「私は無罪」と強調。「あれは事件ではない。ないことを作り出した国家犯罪だ」と訴えた。  議員に渡したコピーから情報源が特定され、女性も逮捕されたことには「記事では情報源を守るために電信文は載せなかった。あのような結果を招いたのは女性が自首したからで、想定していなかった」と悔やんだ。  コピーを渡したことには「断腸の思いだったが、これは氷山の一角との認識から、国権の最高機関である国会で審議させるべきだと考えた。何も悪いことはしていない」と語った。  その上で「あの時に取った方法はあれで良かった」と振り返り、「最後までうそをつき通したのが国だ。私は犠牲者だけど勝利者だ。今は赫々(かっかく)たる戦勲だと思っている」と総括した。  5月で本土復帰50年となる沖縄については「在日米軍基地は日本の防衛ではなく、米国の対中けん制のための基地になっている。日本の沖縄ではなく、米国の沖縄なのが実態だ」と指摘。「共存共栄の日中関係をつくり出せば、沖縄は戦争の島から平和の島に変わる」と持論を語った。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答える元毎日新聞記者の西山太吉さん=3月28日、北九州市
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