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原発事故被ばく、おびえる周辺国=ヨウ素剤の需要急増―ウクライナ侵攻


 ロシアが侵攻したウクライナで原発事故や核施設攻撃への懸念が高まる中、ウクライナに近接する東欧諸国などで放射線被ばくを抑えるヨウ素剤の需要が急増している。ロシア軍が占拠したウクライナ北部チェルノブイリ原発では9日、電力供給が遮断され、放射性物質漏れへの懸念が広がる。周辺国には1986年の同原発事故で苦しんだ記憶が生々しく、核の脅威におびえる日が続く。  ヨウ素剤は、原発事故で出る放射性ヨウ素が体内に蓄積されて起きる甲状腺がんのリスクを抑える効果がある。適切かつ速やかに服用すれば被ばく予防が期待できる一方で、急性アレルギーや甲状腺の機能低下も指摘されている。  ウクライナの西隣ポーランドでは、ヨウ素剤不足の情報がニュースや交流サイト(SNS)で広がる。しかし、国境に近い南東部プシェミシルの薬局を訪ねると、既に在庫切れ。薬剤師アンナさん(37)は「大勢買いに来るけど、断らざるを得ない」とあきらめ顔だ。ロシアのプーチン大統領が核戦力の「特別態勢」移行を命じ、ロシア軍がウクライナ南東部ザポロジエ原発を制圧した頃から問い合わせが増えたという。  別の薬局に来た年金生活者ユセフさん(70)は、ウクライナに住む友人から「『ヨウ素剤があれば買っておけ』と医者が言っていた」と助言されたと明かした。店頭に並んだ女性のルチェナさん(51)は「私は昔ヨウ素剤を飲んで、甲状腺を患った。チェルノブイリ事故の時に飲み過ぎたせいだと思うから、もう誰にも勧めない」と不満顔だ。  報道では、ヨウ素剤の特需はウクライナの隣国ルーマニアや、ブルガリア、クロアチア、チェコなどの東欧諸国に加え、ロシアと接するフィンランドなど欧州各国で起きている。地元メディアによると、ベルギーでは3万2000人分が1日で無料配布された日もあり、医療団体の関係者は「1年分の需要が直近6日間で押し寄せた」と話した。  ただ、専門家からは「ヨウ素剤が核爆発に対してどれほど効果があるか疑問だ。パニックに陥ると摂取に走る事例が増えるが、健康被害もあり得る」との声も上がる。ベルギー原子力当局も2月下旬、「ウクライナの現状ではヨウ素剤を飲む必要はない」とツイッターで強調し、混乱による過剰服用に警鐘を鳴らしている。 【時事通信社】 〔写真説明〕「ヨウ素剤はありません」と掲示するクロアチアの薬局=3日、ザグレブ(AFP時事)
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