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「今しかない」決死の避難行=攻防激化、響く爆音―キエフ在住邦人女性


 市街地に響く爆撃音、鳴りやまない防空警報。ロシア軍によるウクライナ侵攻は26日に3日目を迎え、首都キエフをめぐる攻防戦は一層激化した。「今しか動けない」。決死の覚悟で中心部から郊外へ避難した国連職員の日本人女性(32)が現地時間の同日午前、電話取材に応じ、避難行の模様を語った。  女性は昨年9月、政府機関の集まるキエフ市中心部に移住した。侵攻の始まった24日は戒厳令が敷かれ、物音がないほど静かだったという。  ところが、25日の夜明け前、状況が一変した。午前5時ごろから戦闘機の飛び交う音や爆発音、防空警報が鳴り響いた。最寄りの地下鉄駅に逃げ込むと、「大江戸線ぐらい深い」ホームには、身を寄せる多くの市民の姿が。長期戦を覚悟したようにヨガマットを持ち込み座り込む人、毛布にくるまりひとときの安眠を得る人、ペットを連れた人―。女性は「疲れ切っていて、不安そうな表情を浮かべていた」と振り返る。  「今なら避難できる」と職場から連絡が入ったのはその日の昼頃。警報は鳴り続いていたが「居続けるのもリスクだ」と覚悟を決め、同僚3人と10キロ南にある郊外のホテルを目指し四輪駆動車で移動を開始した。  車はキエフ市内を南北に流れるドニエプル川沿いを進んだ。道中、ウクライナ軍の狙撃隊や、腕に包帯を巻いて治療を受ける負傷兵の姿を目撃し、「自分が置かれている状況を初めて実感した」。中心部を脱出する車は多く、渋滞に巻き込まれてホテルにたどり着くまで1時間以上かかった。  身を落ち着けたホテルは比較的安全だといい、国連スタッフやメディア関係者ら数百人が滞在する。ただ「ガソリンの入手は困難。次の行動ができない。かなり厳しい状況だ」と打ち明ける。大統領府の西約4キロのキエフ動物園周辺や北側に広がるオボロン地区で激戦が繰り広げられているとの情報が舞い込み、中心部の方角からは爆弾やヘリのローター音が聞こえてくるという。  軍事力で優位に立つロシア軍は大統領府などが立ち並ぶ中心部に迫る。女性は「首都陥落は時間の問題かもしれない。今夜かあすがヤマ場なのでは」。疲れ切っても、なお緊張は解けない。(了)【時事通信社】
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