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情報提供者「買うなと言った」=コロナ治療薬インサイダー事件―警視庁


 新型コロナウイルス治療薬開発をめぐる医療ベンチャー企業「テラ」(東京都新宿区)株式のインサイダー取引事件で、逮捕された投資顧問会社社長山崎平馬容疑者(49)ら3人への内部情報提供者が5日までに時事通信の取材に応じた。情報提供を認めた上で、同容疑者に対して「株は買うなと伝えていた」と話した。  警視庁捜査2課は同日、3人を金融商品取引法違反容疑で送検。株売買の詳しい経緯を調べる。  同課によると、3人はテラ社と医療機器開発「セネジェニックス・ジャパン」(破産手続き中)が業務提携し、コロナ治療薬の開発計画を発表するなどの内部情報を入手。買い付けたテラ社の株式を計画発表後に高値で売り抜け、900万~3000万円超の利益を得た疑いがある。  内部情報を伝えたのはセネ社の幹部(当時)で、山崎容疑者には「株は買うなと伝えた」という。その後同容疑者が株を買ったと知り、「あれだけ買うなと言っただろうと怒った」と明かした。  建設会社社長久保田俊明容疑者(53)に内部情報を教えた理由については「(同容疑者は)当時株主で、セネ社のオーナーのような立場だった。伝えるのは当たり前だ」と説明した。  同課によると、3人はいずれも元幹部の知人などで、内部情報を入手直後、それぞれが管理する証券口座で株を購入していた。テラ社は2020年4月27日、新型コロナ治療薬の開発計画を発表。同社株は直後に急騰した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕送検のため警視庁月島署を出る久保田俊明容疑者を乗せた車=5日午後、東京都中央区
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