高谷、歩み止めず「１１連覇」＝全日本レスリング

　東京五輪の代表選手が軒並み欠場した今大会で、ただ一人マットに上がったのが男子フリースタイル９２キロ級の高谷。３試合いずれもテクニカルフォール勝ちで今年も頂点に立ち、連続優勝を１１に伸ばした。８６キロ級で１０位に終わった五輪を引き合いに「メダルを取って記憶に残る選手になりたかったが、記録に残る選手になっちゃった」と笑わせた。 　五輪選手団の解団式が行われた日の午後から練習を再開。大舞台で力を出せず、「そこで終わるのは嫌」とすぐ次の目標へ向かった。この日の３試合で見せた攻撃的な姿勢に、今夏に燃焼し切れなかった思いがにじんだ。 　巧みな話術を備える人気者も３２歳とベテランの域だが、「好奇心があるから考える力、行動する力がついてくる」と歩みを止める気配はない。「来年の世界選手権は正直出たい。もう一度世界と胸を合わせたい」と望んだ。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕男子フリースタイル９２キロ級で優勝した高谷惣亮（中央）＝１９日、東京・駒沢体育館