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ごみを楽器に「アップサイクル」 環境問題と向き合うトルコのバンド


【イスタンブールAFP=時事】捨てられたプラスチック製の容器やランプの台にひも──。他の人にはごみでしかないものが、トルコの音楽バンドの手にかかると楽器として生まれ変わる。(写真は捨てられたプラスチック製の容器から作った弦楽器を演奏する「ファンギスタンブール」のロニ・アランさん。トルコ・イスタンブールで) プロのミュージシャン3人が結成した音楽グループ「ファンギスタンブール」が、「トラッシュ・オリエンタル」と呼ぶ音楽づくりを実験的に始めたのは2019年。ごみを打楽器や弦楽器、吹奏楽器に作り替えて演奏する取り組みに賛同したのがきっかけとなった。 「最初はどんな音になるのか見当もつかなかった」と、メンバーのロニ・アランさんがイスタンブール市内にある自分たちのスタジオで語った。周辺には自動車修理工場が多く、ほこりっぽい地域だ。 ファンギスタンブールがトルコの音楽シーンに登場したのと時を同じくして、環境問題を重視する国民が増え、特に若年層は経済の次に重要だと考えていることが世論調査で明らかになった。 トルコでは今年、山火事や洪水などの自然災害で多数の死者が出ており、次期大統領選まで2年を切った今、現職のレジェプ・タイップ・エルドアン氏にとっては逆風となっている。 ファンギスタンブールの3人は、ごみとして捨てられる古い物に価値を与える「アップサイクル」の啓発活動をしているのだと話す。 「これはごみ捨て場の近くで見つけました」とアランさんは満面の笑みで大きなプラスチック容器を見せた。「汚れてなくてラッキーでした」 メロディアスな民俗音楽を演奏する3人は、音程が安定している楽器を廃棄物から作るためは、知恵と努力が不可欠と語る。 「音は素朴かもしれませんが、どの楽器も技術に裏打ちされています」とアランさんは言う。 イスタンブールが面するマルマラ海は今夏、「海の鼻水」と呼ばれる厚い粘液層に覆われた。この粘液が海を覆った理由について科学者らは、長年にわたって行われてきた、産業廃棄物の不適切な処理など複合的な要因を指摘する。 海面を覆う粘液はホースで吸い上げられたが、終わるまでに数か月を要した。この都市にとってごみは「身近にある大きな問題」なのだ。 メンバーのエルマン・アルトゥチュさんは「地球温暖化や海洋汚染(中略)こうした破滅的な災害から改めて教えられるのは、手遅れになってしまう前に、私たちは直ちに何らかの手を打たなければならないということです」と話す。■楽器の重要な役割 「コンサートの最中に楽器の音程がずれてしまうことが時々ある」とアランさんは言う。 「でも、『ちょっとお待ちください、チューニングをします』と言うと、会場が盛り上がることもあります。観客は、こうした楽器が重要な役割を持っていることを分かってくれているので(トラブルも)大目に見てくれます」【翻訳編集AFPBBNews】〔AFP=時事〕(2021/12/13-13:18)
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