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【解説】映画の撮影現場で銃の誤射が起きるのはなぜ?


【ロサンゼルスAFP=時事】米人気俳優のアレック・ボールドウィンさんが主演映画の撮影中に小道具の銃を誤射し、撮影監督が死亡した事故をめぐり、撮影現場での銃の使用について疑問が投げ掛けられている。(写真は米カリフォルニア州ロサンゼルスで、小道具の銃について説明するギヨーム・ドルーシュ氏) ハリウッドの映画界で小道具の武器を調達する仕事を30年間続けてきたギヨーム・ドルーシュ氏は、通常はこうした悲劇が起きないよう安全策がいくつも用意されていると指摘した。 映画界ではどのように銃が使用されているのか、ドルーシュ氏に聞いた。■なぜ映画の撮影現場で本物の銃を使用するのか 撮影後の編集段階でのCG処理は、以前に比べるとかなり容易で安価になったものの、多くの監督や俳優は、より本物らしさが出るとして本物の銃を使いたがるとドルーシュ氏は言う。 「模造銃の問題点は、(発砲した時の)反動がなく、煙も出ないことで、演技に差が出ます」と話す。ゴム製やプラスチック製の銃で演技してもらい、後からCGで銃弾が発射された効果を加えても、明確な違いが生まれるという。■撮影現場での銃の取り扱いは? 撮影現場での銃の取り扱い手順は必然的に厳しいものになっており、二重、三重のチェック態勢が取られているとドルーシュ氏は説明する。 弾が込められていない銃を本物の銃同然に扱うが、多くの場合は本物の銃を改造したものだという。 「銃は保管庫で管理しています。撮影現場に持ち込む際には、空包(発射音だけが出る弾薬)には印を付け、色分けします」 それからまず、銃の中身が空っぽであることをスタッフと俳優に示してから、空包を装填(そうてん)する。 「銃に空包を込めるときには、何度も伝えます」■銃を発砲する必要がある場合は? 銃を発砲する際は、安全距離を厳重に保ち、対人距離を前方6メートル以上取る。 「空包でも小さな破片が飛ぶことがあります。銃で人を直接狙わない方が望ましいので、カメラマンと協力して、相手が射線方向にいるように見える構図を考えます」とドルーシュ氏は言う。 「もっと近づいて撮影する必要がある場合は、アクリル樹脂の壁を設置し、スタッフには消火用毛布を掛けます。また、爆音から耳を守るヘルメットと破片から目を保護するゴーグルも用意しています」■事故はどのように起こり得るのか 今回、西部劇映画『ラスト(Rust、原題)』の撮影現場で何が起きたのかはまだはっきりと分かっていない。 ドルーシュ氏によると、銃を持つ登場人物の多さを考えると、ハリウッド映画でこうした事故が起きるのは極めてまれだという。 何らかの理由で撮影現場で実弾が使用されると、事故は起き得る。 「しかし、撮影現場に実弾が持ち込まれることは絶対にありません」とドルーシュ氏は断言する。ダミーの弾も使用されるので、混同される恐れがあるからだ。 可能性としては、ダミーの弾の薬きょう(弾丸の発射薬を詰める円筒形の容器)が外れ、弾頭部分のみが薬室に入ってしまうことだ。 ダミーの弾頭の後ろに空包を込めて発射すると、実質「実弾」になってしまうとドルーシュ氏は説明した。 1993年に俳優のブランドン・リーさんが映画『クロウ/飛翔伝説』の撮影現場で命を落としたのも、これが原因だという。「小道具の製作者によるチェックが行われていませんでした。あの事故は防げたはずなのに」 「事故が起こる時は、その前に必ずミスの連鎖があります」とドルーシュ氏は指摘した。【翻訳編集AFPBBNews】〔AFP=時事〕(2021/10/26-16:28)
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