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おじさんがLINEの文末に絵文字・顔文字を多用する意外な理由




昨日、「電話に出ない最近の若者たち」についてアレコレと書いていたら、いきなり「なぜ我々中高年男子はLINEをはじめとするSNSの文末を絵文字・顔文字で〆たがるのか問題」について、新たなアンサーが天啓のごとく脳裡をよぎったので、今日はそれについて語ってみよう。



 



おじさんがついつい多用しがちな絵文字・顔文字の根拠にいたっては、過去citrusにおいても何度か私なりに推測の言を寄せている。もちろん、只今絶賛発売中である脳神経外科医・菅原道仁先生との共著『「モテ」と「非モテ」の脳科学〜おじさんの恋はなぜ報われないのか〜』(ワニブックスPLUS新書)でも同案件に関する分析には、けっこうな文字数を割いている。文中で菅原先生は、こう断言する。



 




おじさんLINEが総じて長めでカラフルになってしまう理由は、「ありがとう」だとか「ごめんね」という感情の表現に「これこれこうだから〜」といった“説明”を付け加えてしまうから。また、おじさんが「これこれこう」に執着してしまうのは「言い訳がしたいから」、単にそれだけです。ヘンに経験があるぶん、「自分が正論を言っている」と、手間ヒマかけて証明したくなるわけです。




 



そう。我々中高年男子は、LINEで自分の心情がすべて相手に届いているかがいつも不安で不安でたまらないから、おのずと文字数と絵文字や顔文字に頼ってしまいがちなのだ。バレンタインデーにチョコをもらって「ありがとう」、待ち合わせの時間に遅刻して「すいません」……だけでは、その感謝や謝罪の度合を表現し尽くせていないのでは……と妙な深読みをしてしまい、だから「美味しくて速攻で全部食べちゃいました」やら「人身事故で電車が止まっちゃって〜」みたいな文章をだらだら打ち込んだり、「ありがとう(^^)/」「すいませんm(_ )m」と“ニュアンスを伝える記号”として最適な絵文字・顔文字を添えずにはいられないのである。



 




どんなに作文力に自信があっても、プロの文筆家さんですら「文字で自分の想いを100%相手に伝えるのは困難」と最初から割り切るべきだと僕は思います。




 



……とも菅原先生はおっしゃる。まったくもってそのとおり……なんだろう。そして、今の若い子たちはその素っ気ない「ありがとう」「すいません」から、相手の感情の機微を読む訓練を、幼いころから当たり前のようにいじっているスマホから積んでいる──そもそも、彼ら彼女らはそういった機微を分かち合うこと自体に無頓着、大した意味を見いだしていないのかもしれない。



 




“相手の気持ち”というのは、(一般論として)加齢するごとに、経験を重ねれば重ねるほどに、あらゆるケースを想定できるようになるものです。しかし、それは同時に「オレの気持ち、ちゃんと伝わってるかな…?」と、心配も増してくるということなんです。




 



……と菅原先生は我々世代が抱く“不安の根元”について解き明かす。コレも正解。しかし、ソレにもう一つ、我々のそんな臆病さにターボをかける要因として挙げられるのは、我々が「電話」というダイレクトコミュニケーションツールとともに育ってきた世代、イコール「相手にあらゆる言動のニュアンスが伝えられなければ気が済まない世代」だからなのではなかろうか。



 



よくよく考えてみると、ここまで別次元の異人種が混在しながら共存している社会なんて、有史上あったのかしら……ある意味「人類初の試練」をまさに今、我々は絵文字・顔文字を通じて体感しているのだ?


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