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ラマダンがやってくる!断食月の目的やルールなど基礎知識を紹介


世界中のイスラム教徒たちが1ヶ月間、日が出ている合間は一切の飲食を絶つ「ラマダン(Ramadan)」の時期が今年ももうすぐやってきます。

今回はエジプト在住の筆者が、ラマダンの目的や内容などの基礎知識や、現地のラマダン期間の様子などをご紹介します。

こんにちは、ライターMiruです。

皆さんは、「ラマダン」というイスラム教の行事をご存じでしょうか。

ラマダンとは、 世界中のイスラム教徒が毎年1か月間にわたり日中の飲食を絶つ他、あらゆる禁欲が課せられる期間 です。

日にちは毎年約10日ずつ早まり少しずつずれ、今年2023年は 3月22日~4月20日 までとなっています。現在、まさにラマダンの真っ最中!

今回はエジプトのカイロ在住の筆者が、ラマダンについての基礎知識や、エジプトでのラマダンの様子をお届けします。

ラマダン期間に旅行される予定の方は要チェックです!

ラマダンの基礎知識

ラマダンが近くなると、街中にどんどんこのような模様や形が美しいランプが飾られるようになり、華やかな街並みが見られます。

これは、ラマダン期間だけ使用される、 「ファヌース」 と呼ばれるものです。クリスマスで言うクリスマスツリーのような存在です。

またムスリム同士や、ラマダンへ参加している人に「ラマダン・ムバラク(Ramadan Mubarak)」や、「ラマダン・カリーム(Ramadan Kareem)」と声を掛け合います。

目的と内容

ラマダンは さまざまな欲望を抑え、自身の信仰心を深めることが本来の目的 とされています。

ラマダン期間中は、日の出から日没までの合間の飲食が禁止で、食べ物だけでなく水分の摂取も禁じられています。

飲食のほかにも、 期間中の喫煙や性行為、投薬 (健康上支障をきたす場合は免除)、 けんか、悪口や不適切な言動などが禁止 されています。

また、ラマダン月には多くの不用品やお金の寄付や施しも行われており、 「サダカ」 と呼ばれる恵まれない人々を思いやる寄付をラマダン中に行うと、普段よりもさらによい行為と見なされます。

例外

ただしラマダンにも例外があり、 乳幼児は参加する必要はありません

子どもは6~7歳頃になると、短時間からラマダンに参加し始め、少しずつ体を断食に慣らしていくのが一般的です。

乳幼児以外にも、 重病人や高齢者、妊婦や授乳中、生理中の女性は断食を行わなくて構いません 。ただし、体調が回復次第、行います。

ラマダン中の食事

スフール(朝食)

夜明け前の食事は 「サフール(Suhur)」 と呼ばれ、日中の空腹を減らすために深夜2時頃に食べられます。

食事の内容は、普段の朝ごはんとして食べられているものと変わらず、それぞれの国によって料理は異なりますが、エジプトでは

  • フールと呼ばれる大豆料理
  • アエ―シ(中東のパン)
  • アエ―シにつけるタヒーナ(ゴマペースト)
  • ターメイヤ(ひよこ豆のコロッケ)
  • オムレツ
  • 夏野菜
  • ピクルス

などです。

イフタ―ル(夕食)

それから、 「イフタール(Iftar)」 は、日没後に食べる食事を指します。半日以上続いた断食がいったん終わり、その日初めて摂る食事ということで豪華でボリュームがあることが多いです。

家族や友人はもちろん、通行人や隣人など 知らない人とも分け合います 。大勢で一緒に食事をすることで互いの絆を深めます。

イフタールの内容は、体に負担がかからないよう水やスープからはじめ、次にフルーツや野菜のサラダ、中東代表のフルーツであるデーツ(ナツメヤシ)を食べます。その後に肉や米、パンなどメイン料理に移ります。

屋内に限らず屋外でも机を並べて行われているので、日没後すぐに皆が一斉に食べ始める様子が見られ、まるでパーティーのような光景です。

観光におすすめのモスク

イスラム教徒が日々訪れるのがモスク。

ラマダン時期はコーランを長く読んだり、いつも以上に熱心にお祈りしたりする人々が見られます。

旅行の際には訪れてみてはいかがでしょうか。

ムハンマド・アリ・モスク(Muhammad Ali Mosque)

ムハンマド・アリーの命により、トルコ・イスタンブルから建築家を呼んで建設され、1857年に完成したのがこちらムハンマド・アリ・モスク。

外観が荘厳でひときわ目立つ、観光客にも1番人気のモスク です。

巨大なドームを複数持ち、鉛筆形の2本のミナレットをもつ姿は、エジプトの他のモスクではほとんど見られない独特な形です。

内装も凝っていて、ステンドグラスや、高い天井から円を描いてぶら下がるシャンデリアが特に目を惹き美しいです。このランプの数は全部で365個あるそうです。

ちなみに、どのモスクも神聖な場なので、訪れる場合は 肌の露出を少なくしましょう。

町全体が世界遺産に登録されているイスラム地区(旧市街)にあり、モスク以外にも博物館などの歴史的建物がたくさん周りに見られます。

モスクは標高の高い位置にあるため、 モスク敷地内からは旧市街の景色が見渡せる絶景ポイント もあります。

https://4travel.jp/os_shisetsu/10265625

https://www.veltra.com/jp/africa/egypt/ctg/171642:%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%83%A0%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AA/?sid=1554

アズハル・モスク(El Azhar Mosque)

こちらの真っ白な空間が幻想的で息を吞んでしまう、アズハル・モスク。

こちらも旧市街にあり、巨大市場ハン・ハリーリやアズハル公園などの観光スポットがすぐ周りにあります。

また、世界最古の大学と呼ばれるアズハル大学の隣にあり、モスクも同様大変古くに建てられました。

一面に広がる金と青のコントラストの絨毯が素敵です。

モスク内には靴を脱いで入るのが一般的 ですので、モスクのルールに従って入場しましょう。

https://4travel.jp/os_shisetsu/10007060

https://www.veltra.com/jp/africa/egypt/a/110972?sid=1554

ラマダン月の旅行の注意点

ラマダン期間中も平常通りに仕事をする義務はあるものの、銀行や郵便局、ショッピングモールなどの営業時間が基本的に短縮されます。

信仰者以外に特に大変であるのが、 レストランなどの飲食店が日中は開いていないところが多い ことです。

そのため、ラマダン月にイスラム圏を旅行で訪れる際は注意が必要です。事前に営業時間などを確認することをおすすめします。

また反対に、日中はエネルギーを保つためにも不要な外出をしない信仰者が多く、 街中の人混みや渋滞が少なくなるため、観光地巡りなどがスムーズに行える メリットの点もあります。

ラマダンに触れてみよう

ラマダンはイスラム教徒の行いのため、ラマダン中にイスラム諸国を訪れても 異教徒に断食は強制されません が、 イスラム教徒以外の誰でも断食に参加可能 です。

断食だけでなく自分自身の信仰心を深める期間でもあり、断食を通して周りの人々と痛みを分かち合ったり、思いやりを大切にしたりする期間でもあるので、是非機会があれば体験してみてください!


Miru

余暇プランナー

エジプト在住歴3年半、本業はカイロオペラハウス所属のプロバレリーナ。大阪で生まれ育った関西人です。 ロシアやアメリカに留学経験もあり、国内外旅行好き。 海外生活での体験を活かし、観光やグルメなどの記事をメインに皆様に共有できればと思っております。 よろしくお願いいたします。

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