毎年7月7日頃からの半月間は、「小暑」と呼ばれる季節。由来や気候の特徴、この時期の楽しみ方を、和文化研究家の三浦康子さんに教えてもらいました。
小暑とは?
小暑(しょうしょ)とは「暑さがだんだん強まっていく時期」という意味です。二十四節気の11番目で、夏を6つに分けたうちの5番目の節気。毎年7月7日〜7月21日頃にあたり、2023年は7月7日(金)〜7月22日(土)です。
小暑と次の節気である大暑(たいしょ)を合わせた約1カ月間は、「暑中」と呼ばれる最も厳しい暑さの続く時期。また、梅雨の終わり頃で日本付近に前線が停滞し、ゲリラ豪雨と呼ばれる集中豪雨が起こりやすい時期でもあります。暑さ対策、豪雨対策を万全にしておきましょう。
すだれやグリーンカーテンで日差し対策を
小暑に入るとまもなく梅雨が明け、本番の夏が到来。厳しい暑さや日差しを和らげる対策をしておきたいものです。今は遮熱カーテンや窓に貼るタイプの遮熱シートもありますが、昔ながらの知恵や自然の力を借りるのもおすすめです。
「すだれ」や「よしず」は、昔から使われている涼を得る方法。すだれは吊るして、よしずは立て掛けて使うものです。直射日光を遮りつつ風を通してくれますし、見た目にも涼やかで風流です。
窓の外や壁面に張ったネットに、ツル性植物を育てて遮光する「グリーンカーテン」も定番ですね。ゴーヤ、アサガオ、ヘチマ、つるありインゲンなどは、育てやすくて人気。グリーンカーテンはエコなうえに、可愛い花が咲き、実を結ぶ様子は、毎日の暮らしに癒やしや喜びを与えてくれますよ。
風鈴も昔から親しまれている涼の策ですが、近年はご近所トラブルの原因になることも。音量や時間帯に配慮しつつ、涼やかな音を楽しみましょう。
お世話になった方に暑中見舞いを出そう
暑中見舞いは、お盆の里帰りで祖霊にお供え物を持参する風習がルーツ。それがお世話になった方への贈答に変わり、やがて簡略化されて手紙で済ませるようになったのが現在の暑中見舞いです。
暑中見舞いを出す時期は、小暑~立秋前(7月7日頃〜8月6日頃)まで、あるいは夏の土用(立秋前の約18日間)とされています。とはいえ、梅雨の最中では的外れとなってしまうため、梅雨明け後から立秋前日(8月6日頃)までに出すのがベストでしょう。
この時期を過ぎてしまったら、「残暑見舞い」に。処暑(8月23日頃)までを目安に、遅くとも8月末までには届くように出しましょう。
監修:三浦康子
和文化研究家。日本の文化を今に生かす方法をさまざまなメディアで提案。「行事育」提唱者。著書に『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)他多数。
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