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【帰ってきたアイドル親衛隊】激戦の新人賞レースで敗れてしまった橋本美加子


 1980年代はアイドルブームと言われていたが、そのキッカケを作ったのが80年にデビューした松田聖子の存在無しには語れない。その松田聖子が所属していた事務所がサンミュージックだった。私はそのサンミュージックと何かと縁があり、松田聖子の現場はもちろんのこと、82年にデビューした早見優の親衛隊に入り、岡田有希子の現場にはずっと通い詰めていたほどだったこともあり、サンミュージック所属のアイドルがデビューをすると、何かと気になってしまっていた。

 85年にサンミュージックは『ザ・スカウト83』というオーディションで優勝した橋本美加子がデビューすることになるのだが、歌が上手くて大人っぽい顔立ちで、これまでのサンミュージックに所属するアイドルにはいないタイプの美少女がデビューすることになった。85年3月22日に『メロウシーズン』でデビューするのだが、この日は何と15歳の誕生日ということもあり、多くのアイドルファンから注目されていた。その誕生日の前日に、豊島園でデビュー曲発表会が行われた。残念ながら私はこの発表会には行くことができず、歴史の証人になることはできなかった。

 でも『メロウシーズン』というタイトルがずっと気になり、いつかは生で聞いて実際に橋本と話してみたいという気持ちはずっと持っていた。ちなみに85年の同期には、浅香唯・中山美穂・本田美奈子・南野陽子・芳本美代子などのトップアイドルたちがいる。すごい時期にデビューをしていることで、この年の各局が行っていた音楽祭の新人賞レースは、かなりの激戦になっていた。橋本も健闘して頑張っていたが、新人賞は惜しくも逃してしまった。

 音楽祭では、遠めで橋本のことを観て、生で『メロウシーズン』を聞くことができたので、嬉しい気持ちもあったが、実際に会うことはまだまだ先になってしまった。そんな橋本と初めて会うことができたのは、86年1月頃だった。『ヤングタウンTOKYO』(TBSラジオ)の公開収録に橋本がゲストで、その日は4枚目のシングル『ちょっと告白』を歌ってくれた。番組の収録後に、いつものように出待ちをしていたのだが、一向に出てくる気配が無い。収録は22時前くらいに終わってから待っていたのだが、橋本が出て来たのは23時近かった気がする。その時間には、共演者だった他のアイドルも既に帰ってしまい、出ていないのは橋本だけだった。もしかして違う場所から帰ってしまったのではという不安もあったが、約1時間待ったところで、ようやく橋本が出てきてのだ。その時に待っていたのは私だけであり、ゆっくり話しをしてサインも貰い、ツーショット撮影までできたのだ。しかもプライベートモードに入っていたみたいで、普段は掛けることの無いメガネを着用している姿だった。おそらくメガネの橋本を実際に見ている人はかなりの少数で、私はそんな姿を見れたことで、かなり気持ちが高まっていた。

 自分的にかなり近い距離にいるアイドルという感じで親近感を持っていた橋本だが、大きなヒット曲に恵まれることもなく、次第にアイドル歌手活動から女優へとシフトするようになり、橋本と会う機会は二度と訪れなかった。

 月日が流れ94年頃に再び橋本の名前が世間に出て来たのだが、何とヘアヌード写真集を発売するという。以前に気になったアイドルでもあるので、すごく興味があったが、自分の気持ちに整理が付かなくてその写真集を見ることが出来なかった。

 そんな橋本は今はどうしているかわからないが、2014年5月に、あるクラブイベントにゲスト出演をしたみたいで、元気にしていることはわかった。これまで公の場所に出ることが無かった橋本だが、2年前とはいえイベントに出演することがあったので、今後も公の場所に出てくる可能性もありそうなので、できるなら大人になった橋本にもう一度会いたいと思う。その時はデビュー曲の『メロウシーズン』を歌ってもらいたいものだ。果たしてそんな日は来るのだろうか?

(ブレーメン大島=毎週土曜日に掲載)

【ブレーメン大島】小学生の頃からアイドル現場に通い、高校時代は『夕やけニャンニャン』に素人ながらレギュラーで出演。同番組の「夕ニャン大相撲」では元レスリング部のテクニックを駆使して、暴れまわった。高校卒業後は芸人、プロレスのリングアナウンサー、放送作家として活動。現在は「プロのアイドルヲタク」としてアイドルをメインに取材するほか、かつて広島カープの応援団にも所属していたほどの熱狂的ファンとしての顔や、自称日本で唯一の盆踊りヲタとしての顔を持つことから、全国を飛び回る生活を送っている。最近、気になるアイドルはNMB48の三田麻央。

【記事提供:リアルライブ】
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